我が子の突然死を防ぐために、親ができること〜最新の研究で分かっていること・いないこと

11月は子どもの突然死防止月間です。
今西洋介 2026.10.25
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皆さん、こんにちは。

10月5本目です。

今週は自分の大好きな、バスケNBAが開幕しました。
早速ですが、家から車で20分の距離にあるIntuit domeという近代的なアリーナで、我らが八村塁のロサンゼルスクリッパーズのホーム開幕戦を見てきました。

背番号28八村のユニフォームを着て観戦に行きましたが、ロサンゼルスは当日大雨でアリーナに入る前にびしょ濡れ。けどアリーナ受付で、ダサいTシャツをもらったので着替えて事なきを得ました。今年はたくさんNBA観戦に行きたいと思います。

さて今回も頑張っていきましょう。

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※この記事は、お子さんを突然死で亡くされたご家族を責めるためのものではありません。本文で書くとおり、安全な環境でも起きる突然死があり、親の行動だけで決まるものではありません。お子さんを亡くされた方の相談先として「SIDS家族の会」があります。

突然ですが、皆さんは子供が原因不明に突然死をする事を知っていますか?

11月は、こども家庭庁が定める乳幼児突然死症候群(以下、SIDS)の対策強化月間です。

それはなぜかと言うと、SIDSは12月以降の冬に増える傾向があり、その前の1か月に啓発を集中させているからです。厚生労働省の人口動態統計では、2024年にSIDSで亡くなった赤ちゃんは51人で、1歳未満の死因の第5位でした。2020年の95人から半分近くに減っていますが、毎週1人の赤ちゃんが、それまで元気だったのに眠ったまま亡くなっています。

話は変わりますが、私はあまり芸能のことは詳しくないのですが、元JUDY AND MARYのYUKIさんが学生時代から好きで、ファンクラブに入っているくらいです。

ジュディマリのYUKIさん

ジュディマリのYUKIさん

自分が学生時代、悲しいニュースを知りました。
YUKIさんの長男は2003年4月に生まれ、2005年3月に1歳11か月で自宅で急死しました。本人が公式サイトで報告し、報道で乳幼児突然死症候群(SIDS)と伝えられました。

公式情報ではありませんが、長らくファンの間では亡くなられた息子さんに向けた歌とされる歌が2つあります。

1つは「長い夢」です。亡くなった約1か月後に発売されました。ただし曲自体は亡くなる前に完成しており、仮題が「バイバイ」から改題されたという話は噂の域です。

そして、もう1つは「歓びの種」です。長男を亡くした後に初めて一から作った曲とされ、ファンの間では息子さんと結びつけて語られます。

いずれにせよ、可愛い我が子を失った母親の気持ちとしてこれらの曲を聴くと、同じ子どもを育てる親としてはとても悲しい気持ちになります。

特に長い夢の「バイバイ」と連呼する箇所は胸が引き裂かれそうになってしまいます。

(※あくまでYUKIさん公式が発表している訳ではなく、ファンの間で言われている事ですのでご注意ください)

この2つの曲を聴くと、赤ちゃんが突然死するケースを無くしたいという小児科医としての気持ちを強くします。

外来で自分がよく聞かれる質問は、3つです。

「添い寝はだめなのですか」
「うつぶせで寝るのが好きなのですが」
「ベビーモニターを買えば安心ですか」。

実はこの3つの問いに、研究はかなりはっきり答えています。同時に、どんなに環境を整えても防げなかった死が一定数あることも、研究は示しています。

この記事では、乳幼児の突然死について、研究で分かっていること、まだ分かっていないこと、そのうえで親が今夜できることを、日本の法医学調査259例、米国の最新の症例対照研究、添い寝をめぐる2つの大規模解析、そして2022年と2024年に発表された「体の中の脆弱性」の研究から整理します。

第1章 子どもの突然死・分かっていること

原因不明は「防げない」という意味ではない

まず言葉の整理をしましょう。

SIDSは、子どもが眠っている間に亡くなり、解剖や状況の調査をしても原因が特定できない死に付けられる名前です。米国小児科学会(AAP)が2022年に改訂した指針の技術報告書は、SIDSに加えて、原因不明の死(ICD-10のR99)と寝具による窒息(W75)を合わせて「睡眠関連死」として一つにまとめ、同じ対策で減らすべきだとしています#1。なぜなら、どれに分類されるかは、国や検案医の判断でかなり違うからです。

日本の統計にも同じ事情があります。眠っている間の赤ちゃんの死は、SIDSのほかに「診断名不明」や「寝具による窒息」に分類されるものが別にあり、冒頭の「SIDS 51人」は、その一部にすぎません。この記事では、名前の違いにこだわらず、眠っている間の突然死をまとめて扱います。

AAPの技術報告書は、SIDSが起きる仕組みを「三重リスクモデル」で説明しています#1。生まれ持った脆弱性(覚醒や呼吸・循環の反応の弱さ)を持つ赤ちゃんが、生後2〜4か月を中心とする発達の不安定な時期に、うつぶせ寝や柔らかい寝具などの外からの引き金に出会ったときに起きる、という考え方です。親が対策できるのは、この3つのうち最後の引き金だけです。だからこそ、引き金の研究が最も進んだのです。

寝ている環境の研究が示したこと

米国疾病対策センター(CDC)は、2016〜2017年の全国登録から、原因不明の乳児死亡300例と年齢をそろえた対照1,200人、寝具による窒息死112例と対照448人を比べました#2。原因不明の死で最も大きな危険因子は「親と同じ部屋で寝ていない」ことで、調整オッズ比は7.6倍でした。うつぶせや横向きの寝かせ方は1.6倍でした。窒息死では同じ因子の影響がさらに大きく、別室は18.7倍でした。

覚醒を促す親の気配が同じ部屋にあることが、どれほど子どもを突然死から守っているか分かります。同じ研究で、柔らかい寝具、大人のベッド、添い寝も、原因不明の死と窒息死の両方で危険を上げていました。研究者たちは、窒息と原因不明の死は別の名前で呼ばれていても、同じ対策で減ると結論しています。

添い寝については、2本の大規模な解析が、少し違う答えを出しています。

英国・欧州・オーストラリアの5つの症例対照研究を統合した解析(SIDS 1,472例、対照4,679人)では、添い寝全体の調整オッズ比は2.7倍で、両親がタバコを吸わず、母乳で、ほかの危険因子がない生後3か月未満の赤ちゃんでも、親の部屋で別の寝床に寝る場合に比べて5.1倍でした#3。ただし絶対数で見ると、その低リスク群の死亡は別床で出生1,000あたり0.08、添い寝で0.23と、どちらも小さい値です。

一方、英国の2つの研究を合わせた解析(SIDS 400例、対照1,386人)は、添い寝の危険をある条件で分けました#4。

ソファでの添い寝は18.3倍、2単位以上の酒を飲んだ親の隣は18.3倍、喫煙者の隣は生後3か月未満で8.9倍と、特定の状況では危険が跳ね上がります。

しかし、これらの危険な条件がない添い寝のオッズ比は1.1倍で統計的に有意ではありませんでした。

少し難しいので超分かりやすく言うと、二つの違いは、添い寝そのものを危険と見るか、添い寝に重なる条件を危険と見るか、という見方の違いです。米国小児科学会は添い寝を勧めない立場を取りつつ、親が添い寝を選ぶ場合に避けるべき条件を初めて具体的に示しました#1。

月齢によって、危険の度合いも変わります。米国24州の乳児睡眠関連死8,207例を調べた研究では、生後0〜3か月の死では73.8%が添い寝中で、大人のベッドや大人の体の上で寝ていた割合も高かった一方、4か月以降の死では、寝床に物があった割合(39.4%)と、あおむけや横向きから自分でうつぶせに変わっていた割合(18.4%)が高くなっていました#5。

つまり、小さいうちは「誰と寝るか」、動けるようになったら「何が寝床にあるか」が問題になるのです。

日本の突然死259例が示すこと

日本にも、法医学の調査があります。

8つの大学の法医学教室が、2013〜2018年に解剖した睡眠中の乳児突然死259例を集めました#6。亡くなった月齢は生後1か月が最も多く(18%)、発見は朝7〜8時が最多で、最後に生存を確認してから発見までの平均は4.1時間でした。

添い寝は61%、発見時にうつぶせだったのは40%です。母親の喫煙はオッズ比4.5倍、母親が19歳以下は11.1倍、第4子以降は5.2倍と、海外の報告より大きな値でした。

研究者たちは、発見までの時間が長い例に見守りの不足が疑われることも書いています。日本の家庭の寝室で起きている突然死の輪郭は、海外と同じで、添い寝とうつぶせと喫煙です。

寝る前から始まるリスク

危険因子は意外にも寝床の外にもあります。

米国の2007〜2011年の出生2,068万件と突然死19,127例を結びつけた解析では、妊娠中に母親が喫煙していると突然死の調整オッズ比は2.44倍で、1日1本でも2倍に上がり、20本までは1本増えるごとに危険が直線的に増えていました#7。妊娠中にやめた母親の赤ちゃんは、続けた母親の赤ちゃんより23%低く、因果があると仮定すれば、米国の乳児突然死の22%は妊娠中の喫煙によるものと推定されています。

一方で、守る側の因子もあります。

8つの症例対照研究の個人データを統合した解析(SIDS 2,267例、対照6,837人)では、2か月以上の母乳育児で突然死の危険が半分になり(2〜4か月で0.60倍、4〜6か月で0.40倍、6か月超で0.36倍)、完全母乳でなくても(つまりミルクと合わせた混合でも)この効果は見られました#8。2か月に届かない母乳育児には効果がなかったことも書かれています。AAPはこのほか、定期予防接種を受けていること、寝入るときのおしゃぶりの使用も、突然死を減らす因子として挙げています#1。

ここまでが、研究分野で自信を持って言われてきたことです。

では、なぜ「その子」だったのか。安全な環境で寝ていた赤ちゃんの死は、なぜ起きるのか。第2章では、まだ分かっていないことを、最新の研究を書いていきます。

第2章 子どもの突然死:分かっていないこと

なぜ「その子」なのか。体の中の脆弱性を探す研究

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第2章 子どもの突然死で分かっていないこと。生まれたときの血液から脆弱性を探す2022年と2024年の研究はどこまで来たか、安全な環境でも起きた117例の死が示すこと、日本の添い寝の現実と、授乳中の寝落ちの研究

第3章 親ができることは何か?寝床の5つの確認、添い寝をするなら外せない条件、月齢で変わる見守り方、園に預ける前に聞く3つのこと、妊娠中と家族でできること

第4章 小児科医の自分がこの問題をどう受け止めているか

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