お小遣いのあげ方は子どもの金銭感覚にどう影響するか

育児をしていると、子どもはお小遣いを欲しがる時がきます。しかしあげ方は様々です。今回は親なら誰でも悩む子どものお小遣いです。
今西洋介 2023.12.29
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子どもを育てていると、「お小遣いが欲しい」と求められる時がきます。

幼稚園の時には欲しい物がもらえるのはお誕生日とクリスマスだけだよと言っても聞くでしょうが、小学生になるとそんな訳にはいきません。

習い事の帰りに駄菓子屋でなく、今はコンビニに寄ったり、好きなゲームを買ったりと小学生なら小学生での付き合いが発生します。

中学生、高校生なら尚更でしょう。

自分の娘達は長女、次女ともにもう小学校高学年になっているのですが、娘達はどちらかというと欲しいものが多いです。

彼女達の中では流行の最先端であり、もはや「銀座」と化している近所のPeach clubという雑貨屋に通い詰めています。

私自身、連日お小遣いをもっと欲しいと言われて困っています。Peach clubに献上するだけだし・・と思いつつ、一つ疑問が湧いてきました。

子どもの金銭感覚を鍛えるには、どういうお小遣いのあげ方がいいのだろう?

今回はこちらのおこづかいに関するお話をしましょう。

おこづかいの相場

ところで、子ども達のおこづかいの相場はいくらでしょうか。

というかそもそも小学生はお小遣いをもらっているのでしょうか。

金融広報中央委員会が2015年に行なった「第3回子どもの暮らしとお金に関する調査」では、以下の通り7割を超える小学生がおこづかいをもらっている結果でした。しかも、学年関係なく平均して70%超えというのは意外でした。我が家も娘達が小学校低学年の時はあげていなかった気がします・・。

では、地域別に見るとどうでしょうか?

フコク生命保険会社が2021年に行なった小学生の子どもを持つ全国47都道府県の既婚男女100名ずつを対象とした調査では、47都道府県の小学生の平均おこづかい額ランキングは以下の通りでした。

第1位 青森県 2,662 円

第2位 東京都 2,545   円

第3位 徳島県 2,000  円

第4位 埼玉県 1,925  円

第5位 山口県 1,865  円

第47位 佐賀県 725 円

なんと一位は東京都を抑えて青森県!最下位の佐賀県のほぼ4倍でした。理由はよくわかりませんが、地域によってはこんなに差があるとは少し驚きます(どうした佐賀県・・)。もちろん平均値であり中央値では無いので、データの解釈は難しいものがあります。

ちなみに、漫画のキャラクターで言うと、小学生であるスネ夫(ドラえもん)は月1万円、小学5年生であるおぼっちゃまくんは月1500万円(!!)だそうです。破格ですね。。

参考画像:おぼっちゃまくん 小林よしのり. てんとう虫コミックス

参考画像:おぼっちゃまくん 小林よしのり. てんとう虫コミックス

おこづかいはあげたほうが良いか

近年、米国でも若者の金銭感覚またはマネーリテラシーが大きな注目を集めています。

これらのお金に関する知識が足りないと、子どもの人生で将来借金が有意に増加し、貯蓄が減少する事が示されています(#1)。さらにはそれだけにとどまらず、子ども達の後の人生において経済的な幸福に悪影響を及ぼす可能性も示唆されています(#2)

このように、小さい間に金銭感覚やマネーリテラシーを身につける事はとても大切なのです。そこで、子どもの間に身近なお金として上がってくるのが、おこづかいです。

ではそもそも子どもにおこづかいをあげた方が良いのでしょうか?

ここにも様々な研究がなされています。

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