RSウイルスワクチンを考える〜産婦人科医×小児科医スペシャル対談【前編】〜

今回は対談企画です。
今西洋介 2026.05.02
読者限定

皆さん、こんにちは。

5月記事の第1回は、盟友でもある産婦人科医の重見先生との対談です。

前編と後編に分けて行い、今回の前編は今年4月から定期接種になったお母さんに投与するRSウイルスのワクチンです。

初産で上の子がいない状況では、RSウイルスなんて初めて聞いたという方も多いですが、意外と知られていないRSウイルスの実態も含めて重見先生とお話をします。後編はまた違ったテーマ「男の子への性教育」について深掘りします。こちらは重見先生のニュースレターでも配信するので要チェックです!

ふらいと先生のニュースレターは、子育て中の方が必要な「エビデンスに基づく子どもを守るための知識」をわかりやすくお届けしています。過去記事や毎月すべてのレターを受け取るにはサポートメンバーをご検討ください。

今回は産婦人科医の重見大介先生のニュースレターのコラボ企画です。

重見先生は男性の産婦人科医で、データやリサーチを重視される貴重な先生です。男前のルックスとハイレベルのファッションセンスはさる事ながら、彼の産婦人科医としての発信は冷静にデータを見つめる事が出来て、とても有意義な情報満載です。彼とは子宮頸がんを引き起こすHPV(ヒトパピローマウイルス)に関する情報を啓発していた「みんパピ」時代からの間柄です。

産婦人科のトピックはその特性からセンシティブな話題が多く時にSNSでも炎上する事も多いのですが、重見先生の凄いところは決してワンサイドに立たず公平な目で、いつもデータを重視ながらナラティブな話とのバランスの取り具合が絶妙に上手な事です。そして、重見先生は我々医療者アカウントにありがちな、非医療者をバカにしたり、怒りに任せた発信もしない所が何気に一番凄いなと日々感じています。

そんな素敵な重見先生のニュースレターを下のリンクから是非登録してみて下さい↓


重見先生(以下、重見):よろしくお願いします。最近のアメリカでの生活はどうですか?気候もいいですか?

今西先生(以下、今西):よろしくお願いします。アメリカではゴールデンウィークがないので大型連休ではないんですけど、ちょっとずつ気候も暖かくなってきました。ロサンゼルスと言っても1月、2月は寒くてたまに雨が降るんですけど、3月、4月になってきたから少し暖かくなって過ごしやすくなってくる季節ですね。あとはドジャース、MLBも開幕して少し街が盛り上がってきています。

重見:大谷選手は何回ぐらい見たことあるんでしたっけ?

今西:大谷はもう何回も見てますけど、去年は13回見に行っていました。全然いい席ではないんですけど、娘も一緒に行っていて、最初は「大谷だ!」と言って写真を撮りまくっていましたが、最近はドジャースタジアムに行ってiPadを見まくっています。連れてくるのをやめようかなと思っているところです。

重見:家でiPadを見ていた方がいいんじゃないかという(笑)。僕も実は今年の目標の1つが「大谷選手の試合を生で見る」なんですよ。

今西:その時はぜひお声がけください。

重見:ありがとうございます。楽しみです!

さて、今回は今西先生と「産婦人科医・小児科医の対談」ということでお話をさせていただきます。最初の話題は「RSウイルスのワクチン」です。

ニュースでも耳にすることが増えましたし、定期接種になったことを知っている方も少しずつ増えているのではないかなと。実際、産婦人科でも質問を受けることが増えてきました。

もともとRSウイルスで困るのは主にお子さんで、それを守るためのワクチンですが、まずはお子さんがRSウイルスにかかるとどのような症状が出て、どのような子が重症化するのか、小児科医の視点から教えてください。

今西:RSウイルスは、我々小児科医がよく扱う感染症の1つです。

いわゆる風邪に似た症状ですが、上気道(喉など)で終わる風邪と違い、下気道まで及んで「細気管支炎」や「肺炎」を起こしやすいのが特徴です。大体2歳までに1回はかかりますが、一生を通じて何度も再感染し得る病気です。

中には重症化する子がいて、特に生後6ヶ月未満の乳児や、早産児、慢性肺疾患などの基礎疾患があるお子さんは重症化のハイリスクです。臨床現場では、本来は風邪で終わるところが細気管支炎を起こし、ひどい子だと人工呼吸器まで繋がってしまうこともあります。肺にダメージがあるということになりますので、かかってほしくないし、かかっても重症化してほしくない病気ですね。

重見:乳児の肺炎というのは、家庭ではどのような症状で分かるのでしょうか?

今西:生後6ヶ月未満の子は「苦しい」と言えないので、1番多いのが「哺乳量の低下」です。赤ちゃんは鼻呼吸をするので、鼻水や鼻詰まりが強くなると飲めなくなって脱水になってしまいます。

もう1つは「無呼吸発作」です。呼吸が止まってしまうことがあり、非常に呼吸状態としては不安定になります。そのため、入院が必要になるケースが多いです。

重見:厚生労働省の情報でも、3割ぐらいで咳が悪化して喘鳴(ゼーゼー)や呼吸困難になり、細気管支炎に移行すると書かれています。年間で3万〜5万人が入院し、入院例の7%が人工呼吸器を使用しているというデータもあり、稀なものではない印象ですね。

今西:特に生後3ヶ月未満だと、100人中2〜3人がRSウイルスで入院しているというデータもあります。保育園に行っていない子でも、兄弟や親御さんの風邪がうつってしまうことがあり、我々としては油断ができない病気です。

重見:流行時期についてはどうですか?

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