「子どもの身長を伸ばすにはとにかく肉を食べろ」説を検証

今回も頂いた質問にお答えします。
今西洋介 2026.04.05
サポートメンバー限定

皆さん、こんにちは。

ついに年度が明けましたね。新しい1年が始まります。

昨年度はどのような1年でしたでしょうか?

米国では春休みは1週間しかないので短いですが、長女はその1週間をとても楽しみにしています。それは朝ゆっくり寝れるからだそうです。のび太くんのような理由ですが。。

今週妻が不在で自分がワンオペだったのですが、そんな長女が大活躍してくれました。いざという時は頼りになる長女です。そんな彼女も残り2ヶ月で中学校を卒業します。残りの中学生ライフを楽しんでもらいたいところです。

では今回は記事のコメントで頂いたご質問からにお答えします。

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ふらいと先生こんにちは。いつも興味深く拝読させていただいております。

乳児のミルク、と若干話がずれてしまうのですが、子どもの栄養に関して質問させてください。

「子どもの身長を伸ばすためには肉をたくさん食べろ」「とにかくタンパク質だ!」は本当でしょうか。

昨今XでアメリカのBBQの画像が流行っていてその影響もあるかもしれませんが、定期的に目にする言説であり気になっております。

身長を伸ばすためには牛乳だ、カルシウムだ、などなど昔から色んな栄養礎が挙げられ「とはいえ、ひとつの栄養だけ摂っててもダメだよな」と思いつつ、身長150cmの私は心がザワザワしてしまいます。

というのも、私も夫も肉があまり得意ではなく、魚の方が好きで、もっというと大豆製品(豆腐、油揚げなど)が大好きです。

(ちなみに夫は身長180cmの米国人で、食の好みゆえに一時期ヴィーガン生活をしていたそうです。今でもピーナッツバターをひとりで年間約30kg食べます)

1歳9ヶ月の子どもも、肉よりも大豆製品や魚の方がよく食べます。

最近はなるべく肉も食卓に出すよう努めていますが、身長を伸ばすことを考えると、もっとたくさん出した方がいいのだろうかと考えてしまいます。

「身長を伸ばすためには肉だ!」に対し、ふらいと先生のご意見伺えますと幸いです。

(既に配信済みの内容でしたら申し訳ございません)どうぞよろしくお願いいたします。

ご質問ありがとうございます。

「身長を伸ばすにはとにかく肉だ!タンパク質だ!」という言説、SNSでも繰り返し見かけますよね。

最近SNSでもアメリカのBBQの写真とともに「やっぱりアメリカ人は肉をたくさん食べる」という言説が話題になりました。

ふとしSLIM
@FUTOCHIMPO
佐世保の飲食店では楽しそうに食事をする米軍兵士をよく見かける。ある日焼肉店で見かけたグループは、ベーコンを見て異様なテンションに達していた。
2026/03/26 09:40
10237Retweet 80509Likes

ホットケーキくん(ホッケチャンネル)
@hotcake_kun_
アメリカ男性と肉ならこの写真が好き

いつか現地でこれに参加したい
ふとしSLIM@FUTOCHIMPO
佐世保の飲食店では楽しそうに食事をする米軍兵士をよく見かける。ある日焼肉店で見かけたグループは、ベーコンを見て異様なテンションに達していた。 https://t.co/NkQjI9uIaL
2026/03/27 16:43
9558Retweet 97406Likes

実は明日、仲良くなった米国人のパパ友と息子さんと初のメンズキャンプに行ってきます。彼らに何か欲しいものはないかと聞くと「肉」しか言いません。とにかく胃腸が心配な自分なので、自分用に野菜とキノコを買いました(ジジイか。。)

「アメリカ人は肉をたくさん食べるから背が高いんだ」と言われると、なるほどと思いたくもなる気もわかります。

ご家族は魚や大豆製品を好まれるとのことで、確かに母親としても心配になりますよね。

結論から先に話すと、身長を伸ばすために肉をたくさん食べなければならないというのは、科学的にはかなり単純化された、そして誤解を含む主張だと感じています。

今回はこの話題を、遺伝・栄養・食品という3つの視点から科学的に検証してみたいと思います。

身長を決めるのは何か

身長の60〜80%は遺伝で決まる

子どもの身長を考えるとき、まず押さえておきたいのは「そもそも身長はどれくらい遺伝で決まるのか」という大前提です。

2016年にScientific Reports誌に掲載された大規模な双子研究では、20か国・45の双子コホートから約18万組のデータが分析されました(#1)。その結果、身長が遺伝する率は乳児期には0.2〜0.5程度と低いものの、思春期には男子で最大0.83、女子で0.76にまで上昇することがわかりました。

また遺伝的変動は北米・オーストラリアで最も大きく、東アジアで最も小さいという結果も興味深いものがあります。

つまり、思春期の身長のばらつきの7〜8割は遺伝的な違いで説明でき、栄養を含む環境要因は残りの2〜3割程度、ということになります。

もちろん両親は身長高いのに、なぜこの子は身長が低いのだろうという事もあります。

我が今西家を見てみると、父親は170cm、母親は156cmなのに私は182cmとなぜか高身長です。ちなみに弟は160cmと自称ですが、周りからは実際に160cmないのではと疑われています。

昔から親戚で集まる時には必ず「兄貴が弟の栄養を取りすぎた」と揶揄されてきました。栄養が違うという指摘ならわかりますが、人間が人間から栄養を吸い取って身長差が出るなんて、どこのSFでしょうか。

ドラゴンボール世代なら「セルか!」とツッコミたくなりますよね。

画像はイメージです ©︎鳥山輝

画像はイメージです ©︎鳥山輝

すいません、話が脱線しましたね。

実は遺伝が全てではありませんが、栄養で劇的に変わるわけでもありません。

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