子どものしつけは遊びながら?それとも厳しく?

よくある育児の質問にお答えします。
今西洋介 2024.10.06
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10月になりました。

すっかり秋を感じる季節ですね。

ふらいと先生のニュースレターを初めて配信したのが2022年10月の事でしたから、もうすぐ2周年になります。ここまで続けられたのも、ひとえに読者の皆様の存在があってこそです。

これからも皆様のご意見に耳を傾けながら、真摯にこのニュースレターに取り組んでいきたいと思っております。

ふらいと先生のニュースレターは、子育て中の方が必要な「エビデンスに基づく子どもを守るための知識」を、小児科医のふらいとがわかりやすくお届けしています。

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★お知らせ★

読者の皆様に、今考えている企画のアイデアを募集しています。

皆さんの周りでよく言われる、妊娠・出産・子育てに関する「これってホント?」なことをぜひ教えてください。こちらで一言だけでも記入いただけますと、後に対談記事にしたり解説記事にさせていただきます!ご協力よろしくお願いします。

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今回もまず架空の家族のお話から始めていきたいと思います。実在するご家族とは一切関係がありませんのでご了承くださいませ。

「迷いの中で:田中家のしつけ奮闘記」

田中家では、5歳の息子・健太のしつけに頭を悩ませていました。

健太は好奇心旺盛で活発な男の子ですが、その元気さが時として行き過ぎることがありました。公園での他児とのおもちゃの取り合い、スーパーでのお菓子をめぐる駄々っ子、就寝時間を守らない等、日々のしつけに両親は苦心していました。

母・美香は、できるだけ穏やかに接することを心がけ、健太の気持ちを尊重しながら言い聞かせようとしていました。

「健太、おもちゃは順番に使おうね。」「お菓子は今日はダメだけど、明日のおやつに買ってあげるからね。」

と、優しく説明を試みます。しかし、このアプローチは時として効果がなく、健太の行動を変えることができずにいました。

一方、父・隆は、より厳格な対応が必要だと考えていました。

「ダメなものはダメ!」と強い口調で叱ったり、問題行動があった際には罰として好きなテレビ番組を見せないなどの対応をしていました。しかし、この方法も万全ではありませんでした。健太は時に父親を恐れ、本心を話さなくなってしまったのです。

美香と隆は、それぞれのアプローチがうまくいかない状況に悩んでいました。

「このままでは健太が健全に成長していかないのでは?」

「より効果的なしつけ方法はないのだろうか?」

二人で話し合う日々が続きました。

そんな中、近所に住む子育て経験豊富な山田夫妻と知り合う機会がありました。山田夫妻の子どもたちは、礼儀正しく、思いやりがあり、同時に活発で生き生きとしていました。美香と隆は、山田夫妻のしつけ方法に関心を持ち、アドバイスを求めることにしました。

山田さんは、穏やかな表情で次のように語りました。

「子育ては確かに大変です。一方で、厳しさと温かさのバランスが大切だと思っています。遊びを通じてしつけることも可能ですし、時には厳しく接することも必要です。ただし、どちらの場合も愛情を持って接することが何より大切です。」

この言葉をきっかけに、田中夫妻は自分たちのしつけ方法を再考することにしました。

遊びを通じたしつけと、必要な際の適度な厳しさのバランスを取ることで、健太の成長をより良い方向に導けるのではないか。

田中夫妻はそう思いつつ、より効果的なしつけの方法を模索し始めたのです。

科学が示す:効果的なしつけの真髄

では、遊びながらの楽しいしつけと厳しいしつけ、どちらが良いのでしょうか?

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