「母親が若いと子どもの知能指数は高い」「29歳を過ぎると知的障害児増える」説を冷静に検証
11月3本目ですね。
あと1.5ヶ月で今年も終わるだなんて信じられません。
さて前回に続き、今回も検証シリーズです。
「こんな事言ってるけど、これ本当なの?」という子ども関連の時事ネタを、淡々と科学的に検証していきます。
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発端
ある女性の方がこのような投稿をされ、物議を醸しています。
ダウン症児は36才(初産)から激増するが、知的障害児は29才(初産)から激増する事実は知られるべき。
元々は作家の百田さんは「少子化対策のために、女性は30歳以上になったら子宮摘出」と発言をされた事をきっかけに投稿された内容です。
これに批判する内容に持ち出された持論?ですが、激しい批判に遭っています。
元々の発言は少子化の原因を女性に押し付け、女性の権利を傷つけるものですから批判に遭うのは社会として当然と思います。
一方で、なんのエビデンスを示さず感情的に批判をしても、なんのエビデンスもなく感情的に放言するこういう人達の発言に戸惑う一般の方々には結局どうなの?と疑問が残ってしまいます。
なので、ここはエビデンスや過去の研究を参考にしながら「冷静に」検証していきたいと思います。
母親が若いほど子どもの知能指数は高い?
まず、「東大で博士号をとった30代女性の産んだ子どもの平均知能指数」と「中卒10代女性の産んだ子どもの平均知能指数」ならば、後者が圧倒的に高いのも事実という部分を検証したいと思います。
これは事実でしょうか?
答えから言うと、誤りです。それを証明している研究を紹介しましょう。