「政治×反ワクチン」は子どもの健康に影響を与えるか
皆様、日々のお仕事や育児、お疲れ様です。
今月は5日ごとの更新を試してみます。自分に負担のならない範囲で記事を執筆することがこのニュースレターを続けられるコツだと思っていますので、ご迷惑をおかけますがよろしくお願いします。
さて今回は7/20に迫る参議院選挙の前にして、反ワクチンと政治について解説したいと思います。特にオレンジの党が今話題ですし。では今回も解説していこうと思います。
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参政党の台頭
7/20日曜に投開票する参議院選挙が、あと8日にまで迫ってきました。
今回の参議院選挙は「手取りを上げる」と主張する国民民主党の台頭するであろう報道を筆頭に、自民公明政権が議席過半数も厳しいという報道もあり、なかなか混沌の様相を示してきています。
そんな中、今話題のオレンジの党である「参政党」が7/5,6に実施した世論調査で、なんと自民党に次ぐ第2位に浮上したのです。
2024年の衆議院選挙では3議席を獲得し、今や「日本人ファースト」のスローガンが浸透し、広く支持を拡大しています。
彼らは、そのほか、消費税の段階的な廃止、選択的夫婦別姓反対、外国人排斥を訴えているようです。
この参政党の歴史は、Xでも相互フォローの黒猫ドラネコさんの解説が圧倒的に詳しいので下記のニュースレターを登録して読んでみて欲しいのですが、その経過は改めて見るとなかなか興味深い内容です。
最初はトンデモ政党のイメージが強かったですが、次第に力をつけていき、今や多くの支持を集める立派な国政政党に変貌しているから目を見張るものがあります。
この台頭の仕方は今私のいる米国のトランプ大統領2次政権の台頭に近いものを感じています。私がきたときはバイデン大統領政権末期でしたが、本当にこの1年間で周りの様子が変わったと米国の友人達は口を揃えます。
日本もこの米国と似たような経過を辿っていくのか興味深いところではあります。
自分が小児科医として、この参政党の主張で最も相反する方針はやはり「反ワクチン」でしょう。
自分は個人レベルでのワクチンに抵抗感のある気持ちは否定しませんし、私の外来にもそういう方はいます。なので、反ワクチンとよく混同される「ワクチンへのためらい」はしっかりと向き合わないといけないと思っています。
最近は参政党の代表もワクチン反対をマイルドにすると発言しているようですが・・
個人レベルでのワクチン忌避はしっかりと対応しないといけないと思う一方で、反ワクチンを政治方針に掲げるのは突拍子もないことです。特にワクチンの恩恵を受けやすい子ども達の健康を不安視する声もあるでしょう。
それが政策として実行されると、どのようなことが起きるのでしょうか?
今回はその反ワクチンの思想が実際に海外で政策として落とし込まれて、どのような事が起きたのかを見ていきましょう。
ポピュリズムはワクチンへのためらいを作り出すか
政治的な動きがワクチン接種率に影響を与える現象を理解するためには、まずその根底にあるメカニズムを把握する必要があります。
まず重要な視点は、多くの研究が示すように、ワクチンへのためらい(Vaccine Hesitancy)は、必ずしも特定のワクチンに対する科学的な懸念から生まれるわけではないという事です。
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