養育費未払い率71.9%が子どもに与える影響
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今回は最近何かと話題の養育費。この養育費が子どもにもたらす影響について解説していきます。
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養育費の現状
先日、3人の子どもを育てるシングルマザーの看護師さんと養育費の話になりました。
その看護師さんは母親の手一つで育てていて、元夫からは養育費は一切もらっていないそうです。
なんでも急に離婚することが決まり、養育費の話もしなかったとの事。
それに顔も別に見たくないから、今更そんな話あっても・・という事でした。
一方で、医者の仲間でも離婚している人はいますが皆、養育費を支払っています。中にはバイトを増やしながら毎月なかなかの金額を支払っている先生の話も聞きます。
では、日本の養育費はどれくらいの人が支払ったり、支払いの取り決めをしているのでしょうか?
これは昨年、内閣府男女共同参画局、こども家庭庁、法務省が合同で出した資料(#1)にある表で、養育費の受領率と取り決めをしている世帯の割合の推移を表しています。2003年に17.7%で2021年には28.1%と未だ3人に1人ももらっていない状況です。
また養育費の取り決めをしている世帯も5割強と未だ半分の家庭で取り決めをしていない計算になります。欧米諸国の支払い割合は日本よりも少し高いですが、制度として政府が養育費の支払いを保障している国もありますので、受領率はもっと高いです。
婚外子の割合が2%の日本と、高い割合の欧米諸国という背景を考えると、同じ制度設計としても評価が難しいところです。とは言いつつもやはり日本の受領率の低さは何とかしないといけない状況であることは間違いありません。
また、養育費の問題はよくシングルマザーの課題として受けられがちですが、養育費を受けている父子家庭の割合は8.7%と母子家庭のその割合より低いことがわかっており、これも問題視されています(#2)
つまり、子どもにとってみれば離婚した父親であろうが離婚した母親であろうが、養育費を十分に受けれていないのが現状であると言えます。
養育費が与える子どもへの影響
ではそもそも養育費は子どもにどのような影響を与えるのでしょうか?
養育費の効果に関する研究は海外では盛んにされています。