子どもの日焼け止め、SPF値は?2025年最新の「紫外線対策」を小児科医と日焼け止めブランド担当者が総まとめ
皆さんこんにちは!小児科医のふらいと先生です。
度々子どもの紫外線対策の情報発信はしているのですが、日進月歩でエビデンスは更新されているため、ベビー用日焼け止めなどの製品を出されている韓国のベビーケアブランド「GOONGBE(グンビー)」の担当者さんと対談しながら、2025年最新版の紫外線対策についてお話していきます。この記事を読めば、
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赤ちゃん/子どもの紫外線対策を怠るとどうなるのか?
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日焼け止めはどのようなテクスチャーが良い?
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日焼け止めの SPF と肌への刺激の関係、SPF 結局いくらが正解?
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大人と子ども、同じ日焼け止めでも良い?
ということが理解できますので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。
対談のお相手:GOONGBE(グンビー)ブランド担当
GOONGBE(グンビー)ブランド担当:当社は、朝鮮時代に王世子の生後3日目の沐浴に使われていた処方を現代技術で再解釈し、特許を取得した原料を開発しました。現在、シンガポール、マレーシア、中国などの主要なアジア諸国のみならず、アメリカを含む13カ国に進出しており、本年中にはUAE(アラブ首長国連邦)やポーランドなどの中東・ヨーロッパ地域にも展開を予定しております。当社の製品は、ベビーケア・キッズケア・サンケア・マムケア・リビングケアの5つのカテゴリーで構成されており、各年齢層の肌タイプに配慮して開発されています。
ターゲットは主に赤ちゃんですが、敏感肌の大人の方にも使っていただいております。ふらいと先生のニュースレターの読者の皆さん、本日はよろしくお願いします!
結局、なぜ日焼け対策が必要か?日焼け対策の基礎
ふらいと先生:赤ちゃんの肌は大人に比べて非常に薄く、デリケートなんです。皮膚は外気やウイルスなどから体を守る「バリア機能」を持っていますが、赤ちゃんの場合その機能がとくに未熟です。
そのため、同じ薬や化粧品でも荒れやすかったり、アレルギー反応を起こしやすいんですよね。
また、皮膚が薄いため紫外線の影響が深部まで届きやすく、やけどのような日焼けを起こしてしまいます。未熟な赤ちゃん、とくに早産児などは皮膚が簡単に剥けてしまうほど薄く、紫外線の影響はより深刻です。
昔は「日焼けして真っ黒な子どもが健康」だと言われていましたよね?今では幼少期の紫外線被曝が将来の皮膚がんのリスクを高めるというエビデンスが明確に出てきています(#1)。
なので、子どものうちから紫外線対策をすることが、生涯の健康維持にもつながると考えられています。
GOONGBE:かつては「赤ちゃんにはなるべく何も塗らない方がいい」という考え方が主流でしたが、一般消費者のスキンケアに対する関心や専門知識が高まっている中で、環境要因によって紫外線が強くなり、大人だけでなく赤ちゃんの肌も保護すべきだという認識が広まり、自然とサンケア製品への需要も高まっていると考えています。
ふらいと先生:最近の日本の夏は非常に暑く、紫外線も強いです。基本的な対策としては、直射日光を避けること。帽子をかぶる、日傘を使う、長袖の服を着せるなど、物理的な遮断が有効です(#1, #2)。
また、外出時間を調整することも推奨しています。
朝8〜10時、夕方など、日差しの弱い時間帯に外遊びをすること。日陰を選んで過ごすこと。
自然光を浴びることには近視進行を防ぐ効果もあるとされており(#3)、太陽光を完全に避けるのではなく「時間帯と方法を選ぶ」ことも大切なんですよね。
もちろん、外出が必要な際は日焼け止めの使用も重要になってきます。
小児科医の考える日焼け止めの選び方
GOONGBE:当社も日焼け止め製品のリニューアルを継続的に行っています。ふらいと先生に「日焼け止めの選び方」についてお伺いできればと思います。ガイドラインや学会の見解など、先生が参考にされているものはありますか?
ふらいと先生:そうですね。日本の小児科学会はあまり詳細に発信していませんが、アメリカ小児科学会(AAP)は比較的積極的に情報を出しています。
赤ちゃんに使う日焼け止めについては以下のようなポイントが推奨されています。
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低刺激・安全性の高い成分を使用すること
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べたつきが少なく、塗りやすいテクスチャーであること
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耐水性があり、水や汗でも落ちにくいこと
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十分な紫外線防御効果(SPF15以上)を持っていること
また、特に注意したいのが「生後6ヶ月未満」の赤ちゃんです。
この時期は皮膚のバリア機能が極めて未熟なので、基本的には日焼け止めの使用は避け、直射日光を避けることが第一とされています。
生後6ヶ月を過ぎれば日焼け止めの使用が推奨されていて、SPF15 以上の製品が望ましいとされています。
GOONGBE:弊社も日焼け止め商品は「生後6ヶ月以上」が対象となっています。いろんなテクスチャーの日焼け止め製品が出ていますが、テクスチャーについて先生の見解はありますか?
ふらいと先生:医療現場でも「塗る薬(外用薬)」を処方する機会は多く、保湿剤などでもテクスチャーによる好みの差はありますね。
「ローション → クリーム → 軟膏」という順で、皮膚にとどまる力は強くなると一般的にはいわれています。各製剤の「基剤(ベース)」の違いに由来します。油分が多いほど皮膚上にとどまりやすく、水分が多いほど皮膚から蒸発しやすくなります。日焼け止めにおいても、汗や水に強いかどうかは重要な要素です。
GOONGBE:あと日本ではスプレータイプの日焼け止めもよく見かけますが、これについてはどうお考えですか?
ふらいと先生:スプレータイプは便利に見えますが、実際にはしっかり塗れていないことも多いです。
虫除けなども同様ですが、顔に均等に塗るのが難しいなどの課題がありますね。
GOONGBE:SPF値についてはどうお考えですか?
日焼け止めの SPF 値はどうすればいい?値が高いと刺激強い?
ふらいと先生:日焼け止めの目的は「紫外線から肌を守ること」です。そのためには「正しく塗る」だけでなく、「こまめに塗り直す」ことが重要です。これが大前提。
そして、SPFは主にUVB(紫外線B波)に対する防御力の目安で、数値が高いほど長時間防御できます。
一般的にSPF30以上が推奨されており、50以上の製品も多くありますが、SPF50を超えるものに関しては、「必ずしも大きな差があるとは限らない」という指摘もあります。
実際には、SPF50以上の製品を使っても、塗りムラや使用量不足で、実質的な効果はSPF20〜30程度しか出ないこともあります。そのため、効果低減を前提にした「SPFの高さ」と「塗り方」「塗り直し頻度」が非常に大切だとされています。
GOONGBE:世界的には、そのようなエビデンスをもとにアメリカやヨーロッパではSPF50以上の需要が高いです。一方で、日本ではSPF15や20といった比較的低めの数値の商品にも根強いニーズがあります。
これはおそらく「刺激の少なさ」を気にする親御さんたちが選んでいるからだと思うのですが、先生はどうお考えですか?
ふらいと先生:刺激の少なさを気にされているのは、おそらくその通りだと思います。
一方で、外来では逆にSPF15や20の商品について、「本当に効果あるんですか?」と尋ねられることも多いですね。実際には、たとえSPF20でも塗りムラがあれば、効果は軽減してしまうこともあります。
ですから私は、SPFは一つの目安として、塗りムラがないように塗る、塗り直しをするといった塗り方をお伝えする場合が多いです。
昔は「SPFは低ければ低いほど肌にやさしい」と考えられていた傾向がありましたが、今は明らかに紫外線への意識も変わりつつあり、暑さも厳しくなってきているので、高SPFを好む人も増えてきたと思います。
GOONGBEさんの日焼け止め商品はどういったところにこだわっているのでしょう?
GOONGBE「ウォーターフル サンローション」開発の背景
GOONGBE:「ウォーターフルサンローション」は、赤ちゃんの肌の弱さに着目して開発された商品なんです!
研究によると、ふらいと先生がおっしゃったように、赤ちゃんの肌は大人と比べて薄く、バリア機能も未熟です。なので、しっかりとした紫外線対策が必要です。
弊社は韓国のベビー専門ブランドとして、赤ちゃんの肌を守ることを目的に、日焼け止め製品を開発しています。その一環として、特許を取得した独自成分「ロイヤルオジコンプレックス」を配合。3歳未満の細胞試験でも効果が認められた、保湿とバリア機能を持つ成分です。
前述の通り、日焼け止めはこまめに塗り直す必要があるため、やわらかく、負担なく重ね塗りできるテクスチャーで開発されています。また、スキンケアを嫌がるお子さまにも配慮し、保湿成分をたっぷり配合しており、サンローション1本でスキンケアまでカバーできるよう設計されています。
GOONGBEはベビースキンケアブランドでもあるので、紫外線対策はもちろん、保湿力もこだわり、両取りを狙った商品です。
また、日本ではSPF15〜30程度の商品が主流ですが、近年はSPF値の高い商品の需要が高まっている傾向にあるため、弊社ではSPF50を採用しております。
「SPF50=刺激が強い」といったイメージから、赤ちゃんへの使用に不安を感じるお母さまもいらっしゃるかと思いますが、先ほどご説明させていただきました通り、弊社製品には「ROYAL OJI COMPLEX」、無機紫外線遮断剤が配合されておりますので、安心してご使用いただけます。
さらに、PM2.5やブルーライトなど、紫外線以外の外的刺激からも肌を守る設計になっており、安心して使えるビーガン処方の製品として、厚生労働省の刺激試験もクリアしています。
ふらいと先生:この商品、大人も使えるんですか?
GOONGBE:はい、もちろんです。韓国No.1のH&Bチャンネル「オリーブヤング」や大型マートでも販売されており、特にオリーブヤングでは20〜30代をメインターゲットとしているため、敏感肌の大人にも人気があります。実際、私も毎朝使っています。
ふらいと先生:家族みんなで使えるということですね。日本では大人用と子ども用を別々に購入するご家庭も多く、荷物も増えてしまいますから。どんなテクスチャーですか?
GOONGBE:日本は湿度が高く、ベタつかないテクスチャーの方が好まれる傾向にあるので、弊社の製品はベタつかず、化粧の下地としても使いやすいよう設計されてるので、個人的にも愛用しています。塗り直してもベタつきません。
ウォータープルーフ効果も高く、プールや海でも問題なく使用できます。
ふらいと先生:日焼け止めって高級なものも出ていて、何度も塗り直すのがちょっともったいなかったりします。GOONGBEさんの商品っておいくらなんですか?
GOONGBE:日本円で約2,400円です。赤ちゃんの全身への使用を前提に開発されており、容量は80gと多めに設定しています。商品ラインナップとしては、ウォータープルサンローション、イージーウォッシュサンローション、サンクッション、サンスティックの4タイプでサンケアラインが構成されています。
ふらいと先生:良心的な価格帯ということですね。日本の一般的な日焼け止めが30〜50g程度だとすると、倍近い量ですね。家族みんなで塗り直し使いを前提にしやすそうだと感じました。
まとめと参考資料
GOONGBEさん、ありがとうございました。エビデンスももちろん大事ですが、家族で使いやすいとか、利用者目線で世界中で販売されていて素晴らしいと思います。今日のまとめを記載しておきます。
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一般的に、幼少期の紫外線被曝が将来の皮膚がんや皮膚老化のリスクを高める
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日焼け止めのSPFは塗り方によっては効果低減することを念頭に数値を決め、塗りムラなくしっかり塗る
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日焼け止めは塗りやすいもの、耐水性があるものを選ぶ
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大人と子どもは同じ日焼け止め製品でも OK
参考資料
#1. Zhong S, et al. Cancer Science 2023; 114:4706-4716
#2. American Academy of Pediatrics 2024; Sun Safety: Information for Parents About Sunburn & Sunscreen https://www.healthychildren.org/English/safety-prevention/at-play/Pages/Sun-Safety.aspx (最終閲覧2025/5/10)
#3. Deng L, et al.Optom Vis Sci. 2019;96(4):276-282.
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