我が家を襲った悲劇〜殺虫剤と発達障害の関係を考える〜
皆様、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?
自分は最近こちらで仲良くなった米国人のパパ友に勧められて、米国株の運用を始めました。もともと投資信託やETFなどの積立はしていたのですが米国株に興味を持ち始めました。
確かに日経平均やNASDAQも史上最高額をマークするので一見バブルにも思えます。
とは言ってもロサンゼルスに住んでると、意外と倒産しているレストランの話だったり、街中の繁華街がガラ空きのテナントだったり、米国はネットで言われているほど好景気なのかなと疑問に思うことすらあります。なので、米国株も本当にお遊び程度に始めようと考えています。
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我が家を襲った悲劇
実は先月同じ市内で引越しをしました。
米国2年目になるのですが、米国のマンションは基本的に12ヶ月契約です。
そして1年を過ごすと家賃が10%ほど上がる所が多いです。私が住んでいたマンションも例外ではありませんでした。
住んでいたマンションは渡米直後の1週間で決めなけばならず、何とか空いている所を契約したのです。しかし、日当たりも悪く、部屋も狭いのがなかなか不便でした。長女や次女も中学生となり身体が大きくなり、一つの部屋に押し込むのも少しかわいそうでした。
そのため、部屋も広くなり、家賃も下がり、何より娘達の中学校に近いマンションが空いていたので今年思い切って引っ越したのです。
日当たりも良くなり、風通しも良くなり、中学校も近くてすぐそこなので朝と夕方の送迎がなくなり家族皆この新しいマンションを気に入っていました。
家計簿をつけている自分としては、何より月々の家賃が下がるのが嬉しく家計が助かるなと思っていました。
そんな中、2ヶ月半の長い長い夏休みを経て、8月末から新学期が始まりました。娘達も学校に歩いて行ったり、帰りに米国、ロシア、フォリピンの娘の友達が遊びに来たりと楽しそうでした。
そして、何よりこのマンションにはリスはもちろん、放し飼いの猫は3−4匹いますが猫たちが勝手に家に入ってくる事はありません。
しかし、ある日のことです。
「パパ、足見て!」
と言ってきたのです。何だ何だと見てみると、以下の写真の通りです。


侵略者の正体
これは何だ!?
しかも相当かゆいと言いますし、日が経つにつれてその数は増えているとの事でした。
うちの三姉妹が聞いた話では、これを見た妻は「きっとこれだ!」と原因を言っていたようですが、私に長女がこれを見せてきた時、妻は買い物に出掛けていて不在でした。
すると、長女、次女、三女と私の間で以下のような会話が繰り広げられました。
長女「パパ、なんかな、ママが何か見つけてこのブツブツの原因はきっとコレやって言ってたんやけど、それが思い出されへんねん」
次女「そうそう何か言ってたけど私も忘れた」
パパ「ほな、その特徴なんか言ってみて。ママ何か他に言ってなかった?パパが予想して見事当てたるよ」
長女「なんかな私もよく知らんねんけどな、ママが言うにはとにかく小さくてピョンピョン飛ぶみたいな事言っててん」
パパ「それノミやないか。身体が小さい割に跳躍力がすごい生き物ってノミしかおらんのよ」
次女「けどママが言うには、それペットショップで買えるって言うねん」
パパ「ほな違うやろ。それはノミではないわ。ノミを陳列してるペットショップは見たことないもんね。他に何か言うてなかった?」
三女「ママは「飼うならまずくびわがいるんや」っていってたよ」
パパ「ほらそれはノミではないわ、ノミに実質首輪をされるのは取り憑かれた宿主側なのよ」
長女「ママが言うにはそれは昼になると元気になるねんて」
パパ「それは完全にノミやろ。ノミは夜行性と思われがちやけど実際は昼に活動するからね」
次女「けど違うねん。ママが言うには今日は全然跳ばないねって心配しててん」
パパ「いやいや跳んでたら困るの!跳んだらそれもうノミ確定やから」
長女「ママこれしたら良いって対策も言ってた。まずは掃除機、次に日光に干す、そして説得やと」
パパ「説得?「そやな、君にも事情があるやろけど」ちゃうねん!情に訴えてくるノミはおらんのよ」
三女「でも居なくなるのに数ヶ月かかるって言ってた」
パパ「いや、それもうノミ確定やわ。ママが言ってたのはノミで確定や」
長女「OK、それなら駆除対象候補にノミネートしとくわ」
パパ「いや何最後にダジャレ言うとんねん。どうもありがとうございました〜」
さて、この愛情深い親子のやり取りを見てもらった通り、父娘4人の知恵で無事この原因が「ノミ」である事がわかりました。
ちなみに、これは愛情深い親子の会話であり、決して下のお二人の有名ネタをパクった訳ではありません。私は純粋な気持ちで親子のやり取りを書いたので、そう思われた方は濡れ衣です。
決して、Netflixで2019年のM-1決勝を最近見たからではありません。

漫才師ミルクボーイ。ちなみにケロッグ公式応援サポーター
侵略者との戦い
そしてノミとの戦いが始まりました。ノミは英語でfleaと言います。
敵を倒すためにはまず敵の事を知らなければなりません。
「敵を倒すには敵を知る」は、中国の兵法書『孫子』における有名な一節「彼を知り己を知れば百戦危うからず」に由来し、相手だけでなく自分自身のことも深く理解すれば、どんな状況でも敗れることはない、という意味です。

米国CDCの情報によれば、ノミの生態は上の図のとおりです(#1)
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成虫のノミは動物や人間の宿主を見つけ、吸血した後、交尾し、宿主の毛皮やその周囲に卵を産み始めます。卵は温度や湿度などの環境条件に応じて1日から10日で孵化します。
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卵から孵化したノミは幼虫期に入ります。幼虫は自由に動き回り、血液とノミの糞を食べて成長を続けます。
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ノミの糞を食べて5~20日以内に、幼虫は繭を作り、蛹期に入ります。繭は、成虫が羽化するまでの数日間から数週間、蛹を環境や殺虫剤から守ります。
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成虫のノミは、動きや体温など、吸血可能な状態にあることを示す信号など、宿主の存在が明らかになるまで繭から出てきません。
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成虫の雌は繭から出てきてから数時間以内に宿主から栄養を摂り始め、その後すぐに交尾して産卵を始めます。
何という事でしょう。
これらを読んでるだけでもゾッとしますが、私たちの新たな家の中でこんな命のサイクルが営まれていたなんて・・と感動している暇はありません。ノミはそのジャンプ力で、足首付近が良く噛まれるのです。すでに長女だけでなく、次女や三女、そして私たち夫婦の足首もボコボコになっていました。
そしてノミを駆除するために、flea対策のグッズの調査を始めました。
まず入手したのは、ノミ駆除スプレーです。これはアメリカで最もfleaに効くと言われているスプレーのようです。ノミの成虫だけでなく、幼虫や卵も死滅してくれます。
そして、2つ目は徹底した洗濯と日光浴です。布団、カーペット、枕、ソファなど家の中にあるものを洗濯、天日干しを行いました。
最後に、購入したのがノミ駆除スプレーです。これは一旦部屋の中にスプレーを噴霧し、その後2時間は窓やドアを開けてはならないという代物です。これを2セット買って、考えられる部屋に設置して2時間、外で時間を費やしました。

現在、まだこのサイクルを続けている段階で、以前よりだいぶ被害報告は減りましたが、それでもまだ家庭内の被害届が出ています。徹底駆除するのにそのfleaのサイクルから最低2ヶ月はかかると聞き、今後も続けていきます。
それにしても、不思議です。猫は放し飼いになっているとは言え、我が家には入ってきませんし、猫が届くような所に洗濯物を干している訳ではありません。もちろん我が家はペットを飼っていません。
そんな我が家になぜこれだけノミが増えたのでしょうか。
すると長女が口を開きました。
「放し飼いの猫が可愛すぎて、毎日学校から帰ってきたらずっと抱っこしたり撫ぜたりしてるよ。それだけしかしてないのになあ」
その瞬間、長女以外の他の家族4人は同時に心の中で思いました。

殺虫剤と発達障害
こんにちは。いつもためになるニュースレターの配信をありがとうございます。自閉症・発達障害について、抗生剤の使用による腸内細菌の変化や、有機リン・ピレスロイド系農薬や殺虫剤の曝露による神経へのダメージなど環境要因によって引き起こされる可能性があるという旨の論文をいくつか目にしました。抗生剤は中耳炎などの治療に使用されると伺いますし、ピレスロイド系の殺虫剤は使用していない家庭の方が少ないのではないかと思います。この環境要因での発症についてのふらいと先生の見解と、もし家庭で何か気をつけるべきことがあれば教えていただきたいです。
さて、このダニ駆除の噴霧スプレーをしている時に、ニュースレターのスレッドに上記のような質問が来ている事を思い出しました。実際にこれは外来でも聞かれた事がある質問です(流石に論文を見たというご家族はいなかったですが)
今回、我が家でも噴霧型の殺虫剤を使ったので、確かにこれは気になる所です。
実際に農薬や殺虫剤の暴露と発達障害の関連については、どんな研究がされているのでしょうか?
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