娘の友達が切り落とした人間の首の数で競ってた話

今回はお恥ずかしながら我が家の育児の失態の話です
今西洋介 2025.09.01
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皆様、こんにちは。ふらいとです。

夏休みももう終わりですね。地域によってはもう終わっている所もあるかもしれません。

我が家も2ヶ月半あった夏休みも終わり、新学年として学校に通い出しています。今月から長女と次女の中学校に近い家に引っ越したので、彼女達は歩いて学校へ行き、自分たちで帰ってくれるので助かります。

今回は実際に娘の中学で聞いた話です。

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先週のPIVOTに続き、TBS Cross Digに出演しました。Bloombergと共同出資して新展開しているTBSの新たな取り組みのようです。こちらも良ければ見てください。それにしてもTBSとのご縁が多いですな…

こちらのPIVOTの動画も引き続きよろしくお願いします。

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人間の首を切り落としていた娘の友達

今回は我が家の育児でのお話からお話したいと思います。

それはある日の夕食の食卓でのお話。

我が家にとって夕食は、学校でその日起きたことを3姉妹が競って報告してくるので非常に貴重な時間です。

「今日は友達のあの子とあの子がケンカしてた」とか「あの先生に褒められて好きになった」とか本当に様々です。

そんなある日突然娘のある言葉に驚きました。

「友達の中で人間の首を切り落としてそれを競い合うゲームが流行っている」

というものでした。

え、鬼滅ブームですか?と問いそうになりましたが、それにしても時期ハズレだなと感じました(米国での鬼滅の刃無限城編は9月公開)。

そこでよくよく聞けば、「Roblox(ロブロックス)」というゲームでした。ロブロックスのゲームで、無抵抗の人間の首をひたすら切り落としてくゲームが流行っているというのです。

なんだそれは。。
それを確かめるべくゲームの動画を確認すると、大人の自分が見ても何とも残酷でシュール過ぎる内容でした。

自分は言わずと知れたゲーマーで、中でも「Ghost of Tsushima(ゴーストオブツシマ)」と「デスストランディング」というゲームが大好きで、それぞれ2周クリアしたほどのフリークです。

米国人の友人で日本の文化が大好きという人には必ずこのゴーストオブツシマをお勧めしていて、今のところ100発100中、皆さんハマっています。

ゴースト・オブ・ツシマは、モンゴル軍の侵攻を受けた鎌倉時代の対馬を舞台にしたアクションアドベンチャーゲームです。プレイヤーは武士・境井仁となり、武士道と冥人(くろうど)の戦い方の間で揺れ動きながら、モンゴル軍から故郷を守るために戦います。美しいオープンワールドの景観、迫力ある刀剣アクション、そして重厚なストーリーが魅力で、日本文化を世界に広めた名作として高く評価されています。これ素晴らしいのが制作したのが日本ではなく、海外のチームという事です。日本文化への理解が素晴らしいですよね。

私もゲームの中で冥人となって、モンゴル軍人を殺害しまくってたのですが、流石にこのロブロックスの首狩りゲームには驚きました。下はゴーストオブツシマの首はねシーンです。お前もやっとるやないかいと言われたら、ぐうの音も出ませんが。。

米国の社会問題と化しているロブロックス

ところで、皆さんはRoblox(以下、ロブロックス)というゲームを知っていますか?

日本でも人気が出てきたと聞いていますが、米国では子ども達の中で爆発的な人気を誇るオンラインゲームプラットフォームです。

ロブロックスはRobloxコーポレーションによって開発された最新のゲームプラットフォームです。

2025年2月時点で同プラットフォームは1日あたり平均8530万人のアクティブユーザーを報告しています。

実は会社の発表によれば、月刊プレイヤー基盤には16歳未満の米国の子どもの半数が含まれているという情報があります。

まあそこまでは「人気があっていいですね」でいいのですが、実はこれ今アメリカで新たな10代の社会問題になりつつあります。

現代の子どもたちが触れるデジタルの世界は、かつてのテレビや家庭用ゲーム機とは大きく異なっています。特にロブロックスは、企業が制作した完成品のゲームを提供するのではなく、世界中のユーザーが自ら作った無数のゲームを公開するユーザー生成コンテンツが主体となっています。

この構造が故にゲームの内容はとても問題視されてきました。実際に、Roblox上での不適切なコンテンツや子どもを狙った犯罪行為に関する報告は後を絶ちません。

先日、とある事件が米国のメディアで話題となりました。

かねてからロブロックスは小児性犯罪のPredator(加害者)の巣窟になっていると一部の専門家から指摘がありました。

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続きは、10262文字あります。
  • 暴力ゲームが子どもを攻撃的にするのか
  • 親はどう受け止めるべきか
  • 攻撃性だけじゃない、心と社会性への影響
  • ゲームがもたらす良い効果
  • 家庭や友人は強力な防波堤
  • 米国ゲーム業界の構造的問題と対策
  • 専門家集団:米国小児科学会の指針
  • ふらいと先生はこう思う
  • 参考文献

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