発達障害は父親母親が高齢だと増える?わかってること・いないこと
11月5本目ですね。
本業も忙しさを極め、なかなかまとまった時間が取れませんが、頑張って1つずつ書いていこうと思います。
さて今回は、子どもの発達障害に関して親の年齢がどこまで関係あるのかというものです。
あまりに聞かれる事が多いので、一度しっかりまとめたいと思っています。
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中絶した方がいい?
日本の古くからの友人から久しぶりに電話があったのは先週末のことでした。
実に数年ぶりの電話に心が踊りました。
しかし数年ぶりに友人と話すと決まって出てくる話は、昔話ばかり。しかも毎回同じ話。
しかも同じネタなのに、何度聞いても毎回涙が出るほど笑う事ができる。あれは不思議ですよね。
しかし、声はとても深刻そうでした。
「たしか職業は新生児科医で、子どもの発達を専門に診ているお医者さんだよね?」
よく聞けば、48歳で結婚したとのこと。奥さんは20歳代の女性。最近、歳の差婚は流行りですよね。確かに48歳としても顔も悪くないし、清潔感もある。社会的地位がある男性がずっと独身でいると「同性愛者ではないか」と疑いをかけられていた、と話をしてくれました(まあ色んな意味で、その疑いもどうかと思うけど)
そんな彼の奥さんが妊娠したとの事でした。これは純粋に「おめでとう」ですね。言葉に出して伝えました。
「まあ、おめでたいと言えばおめでたいんだけど・・」
彼の口調はとても暗いです。
よくよく聞けば、親戚の中年女性から「旦那さんが高齢だと、生まれてくる子どもは発達障害になりやすいから堕した方が良いと言われて、奥さんが泣いている」というお話でした。
なんという失礼な話!
と勝手に怒り心頭でしたが、実はこれが聞かれることは今が初めてではありません。
それは昨今の色んな大規模調査から出てくる研究結果が一般的に広まった結果と言えるでしょう。
これは何度も聞かれることですし(発達外来でも聞かれた事がある)、一度腰を据えて解説しようと思いました。
以前にも似たような記事を解説した事はありましたが、これは母親の年齢と子どもの知能指数の事でした。それをSNSで活動家が流した内容を検証したものでした。これはとんでもなく読まれました。
父親が高齢だと子どもの発達障害は増える?
まず大前提として、発達障害は一つの要因で発症するものではありません。先天的な要素もあれば、後天的な要素もあれば、色んな原因が関わっています。
ただ、当然ながら色んなデータが出てきています。
ただデータが出ているからといって、それらが因果関係があるかというと別の話です。
因果関係とは「Aという原因があるからBという結果がある」と明確に原因と結果の関係にあることをいいます。これをはっきりと断言するのはとても難しいのですが。。
では実際に研究を見ていきましょう。
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