習い事の個別学習は効果ある?
皆さん、こんにちは。
もう9月も1週間で終わりですね。すっかり涼しくなり、秋の到来です。気候の移り変わりに体調を崩されるお子さんも多いのではないでしょうか。
1年の3/4が終わってしまうなんて、時間が経つ早さに驚きです。
では、今回は個人的に質問も多い習い事の個別学習は効果あるのか、というテーマでお送りします。
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個別学習はなぜ注目?
明るい日差しが差し込む教室の窓際で、小学3年生の裕太(仮名)くんは真剣な表情で問題に取り組んでいます。
隣には笑顔で見守る先生の姿。
これは、週に2回行われている個別学習の風景です。
6ヶ月前、算数の成績に悩んでいた裕太くんでしたが、この個別学習を始めてから少しずつ自信をつけ、今では「算数が好き」と言えるようになりました。
この光景は、日本の教育現場に広がりつつある新しい学びの形を象徴しています。
令和3年、文部科学省は新しい学習指導要領を全面実施し、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を推進しています(#1)。この指導要領では、児童生徒の発達支援や学習評価の充実が重視され、こども達それぞれの特性や学習進度、学習到達度等に応じて、指導方法・教材や学習時間を柔軟に提供・設定することが求められています。
個別学習は、まさにこの新しい教育方針に沿った取り組みの一つと言えるでしょう。
今までの一斉授業では見落とされがちだった、それぞれの生徒のニーズに応え、それぞれの学習ペースや理解度に合わせた指導をすることで、新学習指導要領が目指す「個別最適な学び」と「協働的な学び」が実現するように目指しているのです。
さらに、GIGAスクール構想の推進により、1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークが整備される中、デジタル技術を活用した個別学習の可能性も広がっています。
AIによる学習支援システムや、オンラインでの個別指導など、テクノロジーの進化は個別学習の形態をさらに多様化させています。
こういった背景の中、個別学習は子どもたちの学びを支援する効果的な方法として、教育関係者のみならず、多くの親御さんからも関心が高いです。
しかし、その効果について疑問を持つ声も少なくありません。
本当に個別学習は子どもたちの学力向上に役立つのでしょうか。
そして、新しい学習指導要領が目指す「生きる力」の育成にどのように貢献するのでしょうか。
今回、最新の研究結果を交えながら、個別学習の効果と意義について探っていきます。また、日本の教育政策の文脈の中で、個別学習がどのような役割を果たし得るのかについても考えていきましょう。変化の激しい現代社会を生きる子どもたちにとって、個別学習がもたらす可能性と課題を見ていきましょう。
個別学習の効果
個別学習の効果に関しては、欧米で様々な効果検証がおこなれています。