なぜ子どもは「いつもの」ぬいぐるみを好むのか?
皆様、いかがお過ごしでしょうか?
日本はとても暑い日々が続いているようですが、熱中症対策をしっかり行い過ごして頂けたらと思います。
このニュースレターもお陰様で登録者は順当に増えております。ありがとうございます!特にこの執筆活動を続けていけるのもサポートメンバーの皆様のおかげです。本当に感謝しております。
また、今月は3ヶ月ぶりにQ&Aテーマ募集を行いました。すでに33件ものテーマを頂いております。ただ、中には「病院に受診したら良いか」「セカンドオピニオンすべきか」などの個人の相談をされる方がいらしゃいますが、実際に診察してないお子さんの事は明言できません。控えて頂けたら嬉しいです。一般的なテーマを抽出して、コツコツですが一つ一つ答えていきますので、宜しくお願いします。
ふらいと先生のニュースレターは、子育て中の方が必要な「エビデンスに基づく子どもを守るための知識」を、小児科医のふらいとがわかりやすくお届けしています。
過去記事や毎月 4 ~ 5 本すべての「エビデンスに基づいた子どもを守るための知識」を受け取るには有料コースをご検討ください。今回の記事も登録いただければ最後まで読めます。
ぬいぐるみは子どもの心の友?
皆さんはディスニーの名作「トイストーリー」をご存知ですか?
『トイ・ストーリー』は、少年アンディの持っているおもちゃたちが繰り広げる冒険を描いていく名作です。
少年アンディの一番のお気に入りのおもちゃはカウボーイ人形のウッディです。しかし、アンディの誕生日に最新のアクションフィギュアであるバズ・ライトイヤーがプレゼントされ、ウッディはその人気に嫉妬します。ウッディとバズは初めは対立しますが、次第に友情を築き、おもちゃとしての自分たちの役割を理解していくハートウォーミングなストーリーです。
トイストーリー ©︎Disney
トイストーリーが生まれたきっかけは、実は日本のおもちゃと関係があります。
なんでも鑑定団で有名な北原照久氏が館長を務める横浜ブリキのおもちゃ博物館。
トイストーリーのジョン・ラセター監督が、いまから25、6年前に、その横浜山手のブリキのおもちゃ博物館に来られて、「まるでおもちゃが生きているみたいに感じて、あの映画の構想が浮かんだ」と、本人が言っているようです。
このように、本来動かないおもちゃに対して「生きている」と感じるのは人間の本来の性質なのでしょうか。
ところで、育児をしていてこんな疑問が浮かびます。
それは4歳になる三女の話です。
彼女が2歳の時に人生で初めてディズニーへ行きました。その時、年の離れた長女や次女には空前のダッフィーブームが到来しており、長女や次女はダッフィー、シェリーメイ、クッキーアンなど人気どころを「自分担当」とし、ぬいぐるみを購入しました。
そこでお姉ちゃん達に「三女ちゃんはこの子ね」とダッフィーファミリーとしては異質の「カメ」!
なぜ、このような爬虫類が(ちなみに亀は両生類ではない)このファミリーに!?と、当時衝撃を受けた記憶がありますが、幼い三女にはそんな事は関係なし。
この亀のキャラクターはオル・メルという名前で、三女は寝る時も外出する時もずっと一緒。この子がいないと夜に眠れないそうです。ある時、このオル・メルが無くなった疑惑で見つからず新しいオルメルを買おうかと三女に言った時、
「あの子じゃなきゃ、いやだ」
と泣き叫ばれました。
父親ながらオルメルなら一緒やん・・と思いましたが、彼女はこのオルメルに特別な感情を持っていたようです。その後無事に発見され、事なきを得ました。
三女のオルメル
このように、子どもは「いつもの」ぬいぐるみを好む子が多い気がします。
これはなぜでしょうか?研究を見ていきましょう。