「妊娠してから2歳までに摂取する砂糖で子どもの人生は決まる」説は本当か?

今回も検証記事です。
今西洋介 2025.01.30
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1月6本目です。

今月はこれで最後になる可能性が高いです。

今回は巷で話題の「子どもの頃に摂取する砂糖の量で人生は決まる」説を検証します。この検証シリーズは、育児をしていると自然と出てくる疑問を解消していきます。

では今月ラストいきましょう。

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先日こんな質問が私のところに寄せられました。

ふらいと先生、こんにちは。先日SNSで「2歳までに食べた砂糖の量が子ども達の将来の健康に影響を与えるだけでなく、妊娠中に母親が食べた砂糖の量も影響を与える」という話を見ました。私は妊娠中けっこう砂糖を食べてしまったのでとても心配です。この真偽はどんなもんでしょうか。

ご質問ありがとうございます。このような投稿を見ると不安ですよね。

自分が意識していないところで、自分の子どもに影響を与えるとなると気が気でないよね。お気持ちはとてもわかります。それに子どもが摂取する砂糖に関しては悩んだ事のない親は少なくないと思います。

実際のところ、子どもの砂糖に関しては、日本だけでなく欧米諸国でも問題になっています。

今回はこの見聞きされた説を検証したいと思います。

説の元となった研究

火のないところに煙は立ちません。この説となった研究がつい最近発表されました。

一流の科学雑誌Scienceより今年11月に「出生後1000日以内の砂糖制限が慢性疾患を予防する」と題して米国の南カリフォルニア大学から発表された研究です(#1)

そもそも妊娠期から生後2年(最初の1000日)の栄養は、成人期の健康に大きな影響を与える事が知られています。 過剰な糖分摂取は2型糖尿病(T2DM)や高血圧のリスクを高めることが知られていますが、多くは動物実験で、ヒトにおける因果関係が示された例は限られていました。1953年9月に英国で砂糖の配給制度が終了し、その後の砂糖消費量がほぼ倍増しました。つまり配給があった期間は砂糖が少ない食事(コントロールされた食事)が与えられていましたが、配給が終わった後は皆自由に食事を取るようになったので、砂糖が多い食事を摂るようになったのです。

下のグラフっで実際に砂糖、脂肪、タンパク質、果物や野菜の摂取率の変化を示します。配給前後で露骨にSugarの摂取率が変化していることがわかります。

この自然実験を使って、早期の糖摂取と成人期の健康との関係を調査したという研究なのです。

英国のUK Biobankデータを使って、1951年〜1956年生まれの60,183人を分析。イベントスタディ手法という研究手法を用いて、配給終了前に妊娠・出生した人(制限群)と、配給終了後に妊娠・出生した人(非制限群)の2つのグループに分けました。そして2型糖尿病(T2DM)や高血圧の発症率を比較しました。

結果は以下の通りです。

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