生まれる場所で受ける検査が違う〜拡大マススクリーニング検査の地域格差を考える〜

生まれた場所で受ける事のできる検査が異なる事はあまり知られていません。この検査が進んだ背景には治療薬の進歩があります。ではなぜ地域差があるのでしょうか。早期発見・早期治療すべき背景とは。解説していきましょう。
今西洋介 2023.02.05
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今週、1つのニュースが話題を呼びました。

新生児の難病検査が生まれた地域によって格差があり、実に26都道府県で行われていないという報道でした。しかもこの検査の対象となっている2つの病気は早期発見で救命可能と報道されました。

この報道を受け、SNSでは様々な声が上がりました。

「知らなかった」

「うちの自治体はしているのか」

恐らく検査を実施していない都道府県では説明を受けていない保護者の方は多いと思います。

この検査は一体どういうもので、2つの救命な病気とはなんでしょうか?

なぜこんなに都道府県毎に違うのでしょうか?

今回はこの辺りを重点的に解説していきましょう。

新生児の難病検査とは

赤ちゃんは生まれたら全例、別名先天代謝異常検査という無料の検査を受けます。

これを「新生児マススクリーニング検査」と言います。「マス」とは集団、スクリーニングは「検査」という意味です。つまり集団で行う検査のことを言います。マススクリーニング検査の対象疾患の条件は「先天性な病気であり、治療可能で、早期診断が有効であること」が挙げられます(#1)

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続きは、3673文字あります。
  • 救命可能な2つの病気「SMA」と「SCID」とは
  • なぜ地域差があるのか
  • 本日のまとめ

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