なぜ大阪の女性性暴力対策センターSACHICOは崩壊したか
皆様、7月になりどうお過ごしでしょうか。
私は日本にいた時と変わらず、毎日何かと忙しい日々を送らせて頂いています。こちら米国の気候は日本と同じく暑いですが非常に乾燥しているので、大変過ごしやすいです。
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先日、大阪の小児・婦人科医療を脅かす事件が起きました。
それは、大阪で歴史ある女性性暴力救援センター・SACHICOの機能停止、実質的な崩壊です。
ではそもそも女性性暴力ワンストップセンターとは何でしょうか?SACHICOにはどういう機能があって、どういう役割や課題があるのでしょうか?
今回は久しぶりの小児性被害シリーズです。何事も知らなければ守ることはできません。今回は実際に現在進行形で大阪で起きている事件を見ながら解説していきましょう。
なぜ女性性暴力対策ワンストップセンターができたか
我が国の性犯罪の件数は多く報告されていますが、実際には警察に届けられているのは被害の一部であり、多くの性犯罪被害が潜在しています。
性被害を受けた人は大人子どもに関わらず、被害を受けた後に複数回足を運ばねばならなけばいけません。そして、受けた被害について何度も話す事で、どうしても二次被害を受ける機会が増えてしまいました。
「実際に性暴力の被害者が二次被害を受けずに一か所で法的、医学的(心身両面で)、心理学的、社会的支援を受けて回復できるワンストップ支援センターを各地域に整備してほしい」
このように当事者や支援者からも、性犯罪・性暴力被害者のための支援体制を充実させるため、被害者が一か所で総合的な支援を受けられるワンストップ支援センターの設置が求められていました。被害者が医療、心理的支援、捜査、法的支援などを一度に受けられる場所としてのセンターの必要性が明らかとなったのです。