子どもの性被害、半数が起訴されない理由

ふらいと先生のニュースレターは、子育て中の方が必要な「エビデンスに基づく子どもを守るための知識」を、小児科医・研究員のふらいとがわかりやすくお届けしています。
今西洋介 2022.11.14
読者限定

子どもへの性被害は、このニュースレターでも過去3度にわたって解説してきました。このシリーズは自分の想像以上に反響が大きく驚きました。

その中で「小児性被害はその実数がわかりにくい」というお話をしたと思います。

しかし、昨年国内の実態を示す手がかりとなる最新調査が報告されました。

調査としては珍しく、より実態に近く、また国内では珍しく被害を受けたその後も含めた調査となっています。ここでは目を背けたくなるような結果が報告されています。

***

ふらいと先生のニュースレターは、子育て中の方が必要な「エビデンスに基づく子どもを守るための知識」を、小児科医・研究員のふらいとがわかりやすくお届けしています。

過去記事や毎月 4 ~ 6 本すべての「エビデンスに基づいた子どもを守るための知識」を受け取るには月690円の有料コースをご検討ください。

ちなみに今回は有料会員記事です。有料読者の皆様からのご支援は、小児専門の性暴力対策センターなどの社会活動団体に一部寄付されます。ご登録お待ちしています!

登録すると今回の記事も全文読むことができます。

小児性被害の新たな実態調査

子どもへの性被害の実態はわかりくいです。被害者と加害者の関係性は親子や兄弟など身近な関係が多く、それぞれがお互いに依存し合っています。被害を受けて、被害者を告発する事は自分の生活基盤を揺るがす事になりかねません。

小児性被害は他の痴漢や強姦と比べて表面化するまでに時間がかかり、ある調査では平均して12年という数字も出ています。

そういった意味では、小児性被害の調査は国など省庁での調査では限界があると言えます。国が調査しても正確な実態が出てこず、過小評価してしまうのです。そういう背景も合って、なかなか表にでてきません。

正確な実態が出てこず、「あ、これだけしかいないんですね」と政策や予算に反映されてしまっては調査をした意味がありません。

つまり、小児性被害の実態調査は一方向だけの調査だけでは事態を曖昧にしてしまうので、様々な立場からの調査が必要になってきます。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、4144文字あります。
  • 調査結果
  • 日本の小児性被害の課題
  • 本日のまとめ

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

誰でも
子どもの日焼け止め、SPF値は?2025年最新の「紫外線対策」を小児科...
読者限定
子どもへの性加害は本当に教師に多い?日本の対策に欠けているもの
サポートメンバー限定
夫婦げんか後に子どもをどうフォローするか
読者限定
「近所に産める場所がない」周産期医療をどう提供していくか
サポートメンバー限定
ダメージを受けたら戻らない子どもの聴力を守るために親ができること
サポートメンバー限定
アフターピルを薬局で買える世界で、15歳以下の子どもにどうすべきか
読者限定
【Injury Alert】三女が家庭内事故で米国の救急に運ばれた話
読者限定
子どもの「食事・偏食」の悩みについて。小児科医が教える食育のポイントを...