親のウソは子どもにうつる?親が子どもにつくウソの影響を考える
子どもの外来をしていると、よく目の前で親が子どもに言うのを見かけるのが
「いい子にしないと、この先生にチックンしてもらうよ」
というものです。
いや、「お子さんの採血や注射の適応はこちらで決めますので」と内心思いながらも、決して言わないようにして、建前上は「いやいや、今日はもしもしだけだよ」と子ども達に伝えています。
採血や点滴が必要な時は親だけでなく、子どもにも説明するようにしています。
それは幼稚園児でも小学生でも、なるべくその必要性を直接伝えています。元気になるためだよと伝えると、ちょっとは納得してくれます。大抵はそれでも嫌がられますが・・。
職場では子どもに正直にそのまま伝えることをモットーにしていますが、家で実際に育児をするとそうはいきません。自分もよく「早く寝ないとオバケが来るよ」と言ってしまいます。
今回は親が子どもにつくウソの影響を考えましょう。
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親は子どもにどれだけウソをつくのか
「育児においてウソは方便」
「ウソをつかないと育児できない」
これらは育児をしていると、時々聞こえてくる声です。
では、親は子どもにそんなにウソをついているのでしょうか?
街のお出かけ雑誌「リビング」が2020年に両親309名を対象に行った調査によると、88.3%の親が何らかのウソを子どもについたと回答がありました(#1)。9割弱ですから、ほとんどの親が我が子にウソをついていることになります。
また、同じ調査で親の6割近くが「子どもの頃に親にウソをつかれた事がある」と記憶しているようです。アンケートによれば
「パパは昔テストで100点ばかりだった」
「年齢を10歳サバをよんでいる」
など、親の見栄やプライドによるウソも非常に多い事がわかります。
余談ですが、母親がよく言っていましたが父親が自分と付き合っている時に
「自分はロシアのクオーターだ」と言われていて100%信じてたようです。当然ウソなんですが。。
それで結婚する母も母だなあと、子どもながらに感じた記憶があります。
話を戻しましょう。一方で、これは日本だけの話ではないようです。