親のウソは子どもにうつる?親が子どもにつくウソの影響を考える

ウソは方便という言葉がありますが、育児にも当てはまるのでしょうか。今回はこちらを解説していきます。
今西洋介 2024.02.18
サポートメンバー限定

子どもの外来をしていると、よく目の前で親が子どもに言うのを見かけるのが

「いい子にしないと、この先生にチックンしてもらうよ」

というものです。

いや、「お子さんの採血や注射の適応はこちらで決めますので」と内心思いながらも、決して言わないようにして、建前上は「いやいや、今日はもしもしだけだよ」と子ども達に伝えています。

採血や点滴が必要な時は親だけでなく、子どもにも説明するようにしています。

それは幼稚園児でも小学生でも、なるべくその必要性を直接伝えています。元気になるためだよと伝えると、ちょっとは納得してくれます。大抵はそれでも嫌がられますが・・。

職場では子どもに正直にそのまま伝えることをモットーにしていますが、家で実際に育児をするとそうはいきません。自分もよく「早く寝ないとオバケが来るよ」と言ってしまいます。

今回は親が子どもにつくウソの影響を考えましょう。

***

ふらいと先生のニュースレターは、子育て中の方が必要な「エビデンスに基づく子どもを守るための知識」を、小児科医のふらいとがわかりやすくお届けしています。

過去記事や毎月 4 ~ 6 本すべての「エビデンスに基づいた子どもを守るための知識」を受け取るには有料コースをご検討ください。今回の記事も登録いただければ最後まで読めます。

***

親は子どもにどれだけウソをつくのか

「育児においてウソは方便」

「ウソをつかないと育児できない」

これらは育児をしていると、時々聞こえてくる声です。

では、親は子どもにそんなにウソをついているのでしょうか?

街のお出かけ雑誌「リビング」が2020年に両親309名を対象に行った調査によると、88.3%の親が何らかのウソを子どもについたと回答がありました(#1)。9割弱ですから、ほとんどの親が我が子にウソをついていることになります。

また、同じ調査で親の6割近くが「子どもの頃に親にウソをつかれた事がある」と記憶しているようです。アンケートによれば

「パパは昔テストで100点ばかりだった」

「年齢を10歳サバをよんでいる」

など、親の見栄やプライドによるウソも非常に多い事がわかります。

余談ですが、母親がよく言っていましたが父親が自分と付き合っている時に

「自分はロシアのクオーターだ」と言われていて100%信じてたようです。当然ウソなんですが。。

それで結婚する母も母だなあと、子どもながらに感じた記憶があります。

話を戻しましょう。一方で、これは日本だけの話ではないようです。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、4394文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

誰でも
子どもの日焼け止め、SPF値は?2025年最新の「紫外線対策」を小児科...
読者限定
子どもへの性加害は本当に教師に多い?日本の対策に欠けているもの
サポートメンバー限定
夫婦げんか後に子どもをどうフォローするか
読者限定
「近所に産める場所がない」周産期医療をどう提供していくか
サポートメンバー限定
ダメージを受けたら戻らない子どもの聴力を守るために親ができること
サポートメンバー限定
アフターピルを薬局で買える世界で、15歳以下の子どもにどうすべきか
読者限定
【Injury Alert】三女が家庭内事故で米国の救急に運ばれた話
読者限定
子どもの「食事・偏食」の悩みについて。小児科医が教える食育のポイントを...