親のウソは子どもにうつる?親が子どもにつくウソの影響を考える

ウソは方便という言葉がありますが、育児にも当てはまるのでしょうか。今回はこちらを解説していきます。
今西洋介 2024.02.18
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子どもの外来をしていると、よく目の前で親が子どもに言うのを見かけるのが

「いい子にしないと、この先生にチックンしてもらうよ」

というものです。

いや、「お子さんの採血や注射の適応はこちらで決めますので」と内心思いながらも、決して言わないようにして、建前上は「いやいや、今日はもしもしだけだよ」と子ども達に伝えています。

採血や点滴が必要な時は親だけでなく、子どもにも説明するようにしています。

それは幼稚園児でも小学生でも、なるべくその必要性を直接伝えています。元気になるためだよと伝えると、ちょっとは納得してくれます。大抵はそれでも嫌がられますが・・。

職場では子どもに正直にそのまま伝えることをモットーにしていますが、家で実際に育児をするとそうはいきません。自分もよく「早く寝ないとオバケが来るよ」と言ってしまいます。

今回は親が子どもにつくウソの影響を考えましょう。

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親は子どもにどれだけウソをつくのか

「育児においてウソは方便」

「ウソをつかないと育児できない」

これらは育児をしていると、時々聞こえてくる声です。

では、親は子どもにそんなにウソをついているのでしょうか?

街のお出かけ雑誌「リビング」が2020年に両親309名を対象に行った調査によると、88.3%の親が何らかのウソを子どもについたと回答がありました(#1)。9割弱ですから、ほとんどの親が我が子にウソをついていることになります。

また、同じ調査で親の6割近くが「子どもの頃に親にウソをつかれた事がある」と記憶しているようです。アンケートによれば

「パパは昔テストで100点ばかりだった」

「年齢を10歳サバをよんでいる」

など、親の見栄やプライドによるウソも非常に多い事がわかります。

余談ですが、母親がよく言っていましたが父親が自分と付き合っている時に

「自分はロシアのクオーターだ」と言われていて100%信じてたようです。当然ウソなんですが。。

それで結婚する母も母だなあと、子どもながらに感じた記憶があります。

話を戻しましょう。一方で、これは日本だけの話ではないようです。

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