受験戦争は子どもの健康に影響を与えるか
9月も半ばになってきました。
皆様、いかがお過ごしですか?
日本では秋の初め、ぶどう、梨、くりなど秋の味覚が溢れてくる季節ですね。とても羨ましく思います。
そして今年受験するご家庭は夏も終わり、秋になり本格的な受験準備に入られている事かと思います。
今回は受験戦争が子どもの健康に影響を与えるのか、その影響を最小限にするにはどうしたら良いのでしょうか。今回はこちらを解説しました。
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高まる学習塾のニーズ
ニュースでお聞きしている方もいるかと思いますが、少子化が深刻です。
0歳から18歳までの人口の推移を確認してみると、年々減少傾向にあることは容易に想像がつきます。出生数が年々減っていってますから、当然と言えば当然です。
子どもの人数が減っているのだから、受験する人数も減り受験戦争は楽になるのではと思う人もいるかもしれませんが、データをみるとそうではなさそうです。
特定サービス産業動態統計というデータから見て、学習塾の売上高及び受講生一人あたりの学習塾売上高の推移をグラフで示してみます。つまり、学習塾がどれだけ売り上げをあげて、受験生一人あたりの売り上げはどうかというものです。
経済産業省. 特定サービス産業動態統計より
売上高指数は2020年おおむね増加傾向で推移しており、一人あたりの学習塾売上高指数も2016年以降増加を続けています。2020年にガクンと減っているのは、新型コロナウイルス感染症の影響によるものです。
これは何を意味するかというと、減少傾向になっている受験生を塾の代金を値上げする事により売上高を確保しているのです。
中にはオンライン学習のシステム導入などで費用が上がっている要素もありますが、集団指導となるケースに受講料の高い個別指導のシステムを合わせた形にしたため値段が上がったのかもしれません。
いずれにせよ、少子化にもかかわらず学習塾の需要は非常に高いと言えます。
受験戦争は子どものストレス?
これだけ学習塾の需要が高いという事は、それは背景に熾烈な受験戦争があるからです。
私もかつて医学部に入るために受験戦争に身を置きました。
地方出身の普通のサラリーマン家庭から医者になるには、成績は常に上位である必要があり結構勉強しました。学習塾も小学校2年生の時から行っていましたし、周りの誘惑に打ち勝つのは結構大変だった記憶があります。
特に、国立医学部受験の際には一浪の後期でなんとか受かったので、本当に二浪に片足を突っ込んでしまっていました。二浪したら自分の精神は崩壊していたかもしれません。それくらいストレスフルな生活で限界でした。
当時を思うと、受験戦争は子どもの健康に悪影響を与えるよなというのは19歳当時から感じていた事です。
では、これらを検証した研究はあるのでしょうか?