子どもに「ボンボンドロップシール」はなぜウケるのか

今回は今子ども達の中で流行っているボンボンシールブームを科学しました。
今西洋介 2026.02.19
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皆さんこんにちは。

2月4本目ですね。今米国は4連休中で、米国人とのメッセージ内でもout of city(旅行いってます)と書いてる子ども達もいて、何とも羨ましい限りです。

我が家は長女や次女の習い事が多くて、家で過ごしています。今日の午前中は珍しく大雨が降っていて少し寒いです。

では今回は日本でも流行中の「ボンボンドロップシール」です。これ何故流行っているのかよくわからないプラス、次女がこれに意外な反応を見せたので勝手に検証しました。

空前のボンボンドロップシールブーム

最近、子どもから「シール買って!」とせがまれた経験はないでしょうか。

実は最近、大学時代の後輩医師が家族で遊びに来てくれて、その奥様が気を遣ってくれて、うちの三姉妹にシール帳と大量のシールを頂きました。

いま、小学生の間でシール交換が爆発的に流行しています。

しかし、これただのシールではありません。

ぷっくりと立体的で、キラキラ光って、触るとぷにぷにする。ちょっと特別感のあるシールに、今子ども達は夢中なのです。

「ボンボンドロップシール」「おしりシール」といった名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。

人気のものは店頭からすぐに消え、入手困難や売り切れが続出しています。なぜここまで人気なのでしょうか。来年アラフィフの自分には到底理解できませんが。。

これは見た目がかわいいだけではなく子ども同士の関係性に深く入り込む仕掛けがあるからです。 

三女より提供。もらったおしりシール。結構、大人でも触るのは癖になります。

三女より提供。もらったおしりシール。結構、大人でも触るのは癖になります。

しかもこのシール交換は、放課後にわざわざ集まって交換をするまでもありません。

学校の休み時間や登下校、習い事の待ち時間など、ちょっとした隙間の時間で成り立つコミュニケーションとして広がっているのが実情のようです。

今週はディズニーの「ボンボンドロップシール」が抽選販売されていて話題ですね。

実際、どのくらい流行しているのでしょうか。

いこーよ総研が調べた全国保護者645人を対象にしたアンケート調査(#1)を見ると、子どもの54.0%が「興味あり」と回答しています。「とても興味がある(集めている・欲しがっている)」が35.0%、「少し興味がある(かわいいと思っている)」が18.9%

つまり、2人に1人以上の子どもが何らかの形でこのブームに巻き込まれているということです。一部の子だけの話ではありませんよね。

年齢で見ると、小学校低学年から中学年、つまり7歳から10歳がブームの中心にいまるようです。未就学児はまだそこまで関心を示さないようですが、小学校に入った途端にこの波に乗る子が多いようですね。

そして面白いことに、保護者の約半数(47.1%)もシールに興味を持っているというデータもあります。子どもが夢中になれば、親も巻き込まれる、家庭の会話や買い物にも影響が広がっている様子がわかります。

ボンボンシールブームの負の側面

一方で、いい話だけではありません。ここまでなら「かわいい流行りだな」で済む話かもしれません。しかし、子どもたちの声に耳を傾けると、少し違った景色が見えてきます。

まず、シール交換は、ただ1枚と1枚を取り替えるだけの遊びではなくなっています

子ども向け相談サイト、ニフティキッズの投稿(#2)を読むと、レアなシールは普通のシール何枚分の価値がある、といった相場の感覚が子どもたちの間で自然に共有されていることがわかります。

「このシールはレアだから3枚じゃないと交換できない」というような交渉が日常的に行われている。つまり、シール交換は価値の判断や駆け引きを含む、小さな社会のようなものになっているのです。そういえばビックリマンシールが流行った我々の幼少期もそんな事を言う人間がいました。

2つ目として、見逃せない問題があります。シール交換は、学校の中で起きやすいということです。考えてみれば当然で、放課後に友達と自由に遊べる子ばかりではありません。習い事がある子、家庭の事情で放課後に出かけられない子もたくさんいます。そうなると、休み時間や登下校の時間が、友達と交流できる貴重な場になり、シール交換も自然とそこに集中します。ところが学校では、シールの持ち込みや交換を禁止しているところも少なくありません。子どもにとっては学校が唯一の交流の場であるのに、その場でやりたいことができないのです。

そして最後に、これだけ流行すると当然流通に問題が出てきます。

先日、見事ニセモノを見破ったお母さんの話が話題になりましたね。

同署によると、偽物のシールは1点700円で売られ、有名なキャラクターが描かれているものもあった。小学生の女児が購入した後、母親がシールに気泡が多く含まれていることや、台紙の裏の説明文が中国語で書かれていることに気付き、交番に届け出て発覚した。
産経ニュース
@Sankei_news
偽「ボンボンドロップシール」所持疑い、男2人逮捕 購入した女児の母親が気づき
sankei.com/article/202602…

小学生の女児が購入した後、母親がシールに気泡が多く含まれていることや、台紙の裏の説明文が中国語で書かれていることに気付き、交番に届け出て発覚した。
偽「ボンボンドロップシール」所持疑い、男2人逮捕 購入した女児の母親が気づき 立体感が特徴で人気を集めている「ボンボンドロップシール」の偽物を販売目的で所持したとして、埼玉県警蕨署は18日、商標法違 www.sankei.com
2026/02/18 17:05
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ボンボンドロップシール公式も「偽物に注意」と警告を出すほど、巷にはニセモノが出回っているそうです。

さらには、メルカリでも高額で取引がされているようで、入手が困難な状態になっているようです。シール9枚で1万円とはちょっと信じられません、、、

さて、ここまで読んで「うちの子にも当てはまるかも」と感じた親御さんもいるのではないでしょうか。

シール交換は、楽しい遊びであると同時に、子どもの人間関係や感情に思った以上に深く関わっています。交換の中で生まれる喜びや達成感がある一方で、同調圧力や価値観の衝突、断れないつらさも生まれています。

親として、この流行にどう向き合えばいいのか。そもそも「交換遊び」は子どもの成長にとってどんな意味を持つのでしょうか。禁止すべきなのか、見守るべきなのか。

次の章では、まずこの問題の現状を医学的にもう少し掘り下げて整理していきます。

シール交換を流行らせる4つの報酬系

それにしても、シールはいつの時代も子どもの心を魅了するのでしょう?私の小さい時もビックリマンシールが流行りました。今でもコンビニで、大人向けにご当地ビックリマンシールが売っていて驚きました。

シール交換が単なる「遊び」から子どもたちの間で大きな「流行」へと育っていくとき、その中心にあるのはシールというモノそのものではなく、交換という行動が生み出す「報酬」です。

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