ツイ廃小児科医の父親が考える子どものSNS規制論
皆さん、こんにちは。1月2本目の記事です。
米国では正月の三ヶ日というものは無く、1/1にHappy New Yearと祝ってすぐに1/2から日常が始まります。今年は1/3,4が土日なので2日も休みになりましたが、いつもは2日から日常が戻って正月気分が一気に戻ります。
さて今回は最近話題の子どものSNS制限についてです。
我が家の娘も来年高校生、周りの同級生もSNSを使い出して自分も他人事では無くなってきました。
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子どもの高いSNS利用率
最近、子ども達のSNS利用におけるニュースが多いです。
我が家も中学生になってきているので、
「友達の誰々がインスタグラムを始めたらしい」
「アメリカではみんなSNSやっているらしい」 (ほんまかいな・・・)
などを毎日のように言われて、親側の自分がノイローゼのようになってきました。。
では、子ども達のSNS利用率は実際どのようなものなのでしょうか?
子ども家庭庁が令和6年に「青少年のインターネット利用環境実態調査」がありますが、これはこれで貴重な調査です(#1)。全国の小学校4〜6年・中学生・高校生を対象に、本人調査(有効回収3,149)と保護者調査(有効回収2,065)を実施したものです。
それによると、投稿やメッセージ交換の実施率は中学生で80.8%、高校生は90.1%でした。
平日のコミュニケーション目的の平均利用時間は全体で56.9分、高校生は73.7分とされています。
さらに高校生では、コミュニケーション目的が「3時間以上」の割合が10.5%と示されています。
これらの結果から高校生の大多数がメッセージ機能を日常的に利用し、かつ一定数が長時間利用している、という事がわかります。
しかしこの調査はSNSというより、LINEなどチャットを含む投稿やメッセージ交換という行動ベースで把握しています。
他のSNSサービス別利用率のデータとしては、NTTドコモモバイル社会研究所の「2024年一般向けモバイル動向調査」という調査があります(#2)
これでは15-19歳を対象としていますが、10代での月1回以上利用率は以下のとおりです。
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LINE:92.1%
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Instagram:78.7%
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X(旧Twitter):72.9%
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TikTok:55.0%
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Threads:17.9%
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Facebook:13.4%
月1回以上の利用とはいえ、高校生以上でInstagramが8割弱、Xは7割強使っているとは!驚きです。それだけ彼らのスマホにはこれらのアプリが入っているという事ですよね。
同レポートは10代のTikTok利用率が2020年の約2割→2024年に55%へ増加した推移も示しています。Tiktokはこの4年で2.5倍になっているのは驚きですね。
以下のグラフはSNS利用率を男女別に示したものですが、15-29歳の女性が他の属性に比べてもInstagramやTiktokの利用率は著しく高いことがわかります。
#2より
これら2つを鑑みると、10代は連絡手段としてLINEを使いながら、Instagram/X/TikTokを用途で併用するという現状が明確です。そして15-29歳の女性にその傾向は顕著ということですね。
欧米諸国の現状
日本の直近の調査でも、若者のSNS利用率は非常に高いことがわかりました。
しかし、この傾向は日本だけの話ではありません。海外諸国でも同様の傾向にあります。
日本では起きていませんが、海外諸国では子どものSNS「規制」の議論がすでに起きています。
そんな中、オーストラリアではひと足先に「SNS年齢制限」を制度化し、16歳未満の利用を禁じました。実際に16歳未満の子どもがアカウントを保有する事を防ぐために、プラットフォーム側に合理的な措置を求める枠組みを運用しています。
罰則の矛先を子どもや保護者に向けず、基本的にプラットフォーム側のコンプライアンスを中心に設計している点が特徴といえますね。
bloom.bg/4pU8rw4 TikTokやインスタに「16歳未満禁止」の波、豪州発の規制を世界が注視 オーストラリア政府は10日から、TikTok(ティックトック)やInstagram(インスタグラム)など主要交流サイト( bloom.bg
フランスでも同様の動きが起きており、15歳未満のSNS利用を新たに禁止する方向が報じられており、2026年9月開始を目標に法案準備が進むという報道が出ています。
さらに同じ欧州のデンマークでも、15歳未満の利用を制限しつつ、13歳以上は保護者の裁量で例外を認める案が報じられています。これはデンマーク国内の子どもの平均利用時間が1日160分というのも一つの議論の根拠になっているようですね。
そんな中でEUは、デジタルサービス法の枠内で有害コンテンツ、いじめ、グルーミング、依存的デザイン等からの未成年者保護をプラットフォームに求める方向を強めています。
さらに、欧州委員会は2025年7月、法制度下での未成年者保護ガイドラインと、年齢確認ソリューションの設計を公表しており、「年齢確認をどう実装していくか」をEUレベルで具体化させてきています。
米国でも、連邦レベルでKids Online Safety Act(KOSA)がオンラインプラットフォームに未成年者保護のためのツール・安全策を求める法案として継続審議されています。米国での対象は原則17歳未満を指しています。
一方で州レベルでは、年齢確認や保護者同意を求める法が提案・成立しつつも、表現の自由を理由に差止め・違憲判断が相次ぐ状況で、「規制したい政治」と「表現の自由を求める権利」とのせめぎ合いが続いています。
このように、子どものSNS利用はオーストラリアを筆頭にさまざまな議論が巻き起こっており、日本でも議論が本格化するのは時間の問題と言えそうです。
SNSが子どもに与える医学的な影響
では、これだけ子どものSNSが及ぼす影響について議論が起きるのはどうしてでしょうか?
それには、SNSが子どもに与える医学的影響がわかってきた事にあるからです。
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