娘の学校で流行るアイプチ〜小学生の美容整形の日米差を考える〜
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さて今回のニュースレターは「小学生の二重整形」について考えます。
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娘の周りでも流行り出したアイプチ
今ロサンゼルスで中学生と小学生と幼稚園の三姉妹を育てていますが、在米生活も2年目になり3人ともさまざまな国籍の友達ができました。
平日はアメリカ、ロシア、フィリピン、ブラジルなどの子供たちが我が家に遊びにきたり、週末はsleep overと言ってそれぞれ泊まり合いっこしています。
自分が住んでいる地域は特に富裕層が多い地域で、マイホームがビーチ沿いと市街地に2つあって送迎をどちらにするか事前に確認する必要のある子や、自宅にプールやトランポリンや体育館(!)がある子もいて、まさに規格外です。
学校は3人とも完全現地校で、長女の学校に2,3人日本人がいるだけで次女や三女の学校には日本人はいません。もちろん現地の友達と遊ぶ時は日本語を使うこともなく、オール英語なので3人の英語力の伸びは半端ないです。三女に至っては発音もNativeすぎて、もはや親ですら彼女の英語は何言っているか聞き取れない時があります。
渡米する前は、小学校5,6年で英語環境に行かせるのは酷だし、きっと英語は伸びないよと言われましたが、現地の友達と英語で仲良くしている今の彼女達を見ていると来て良かったなと思うわけです。要は年齢ではなく、置かれる環境と本人の「性格」だなと感じるわけです。
まあ英会話の話は今回のテーマではないので、今回は少し横に置いておいて、、
そんな彼女達の間でも最近話題になっている事があります。
ある日、娘の友達のアジア人の子が学校に「アイプチ」をして目をふたえにして登校してきました。娘を含むアジア人のクラスメートはその姿に「かわいい!」と大絶賛でしたが、ある米国人の友達がこう言ってきたようです。
"You are cutest just the way you are!! " (あなたはそのままが1番かわいいのに!)
言われた娘達はキョトンとしていたようです。
そしてその事があった日の夜、娘が突然
「なんで彼女はこんな事を言ったのだろう」
と言ってきたので、
父親の自分も彼女の真意はわからないが、彼女はアジア人の文化が好きで、日本のアニメやコリアダンスが大好きで、そのアジア特有の魅力があるのにもったいないという意味で言ったのだろう、と答えました。
「けど言ってきたあのアメリカの子はくっきりふたえなんだよ」
と言われ、言葉に詰まってしまいました。
日本でも話題の「小学生プチ整形問題」
そういえば似たような話で、先月末に東京中央美容外科の医師がTik Tokに投稿した動画が物議を醸しました。10歳の女の子が目を「ふたえ」にするモニターに登録して、実際に夏休みにふたえにした後に「自信をつけて学校で男の子に告白する」と言っている動画でした。これに関してSNSでは様々な意見がありました。
「本人が気になるならやったらいいじゃないか」
「デジタルタトゥーになるのでは」
「最近、我が家でも娘がやりたがっている」
などなど肯定する意見もあれば否定する意見もありました。

レターで解説お願いします🙇
youtu.be/3ajSTC7IduM?si… 【子どもで美容整形】「子どもの意見ちゃんと聞いて」親のすすめで15歳で二重整形した漫画家「1人で行った時に大泣きした」低年齢化進む美容整形 リアルな声(2024年7月25日) 年々増加している「子どもの美容整形」。いまや中高生だけでなく小学生も手術を受けるほど、低年齢化が進んでいるといいます。美 youtu.be
日本を代表する美容外科医の間でもこの是非に関しては意見が分かれるようで、下の記事なんかは興味深いなと感じながら読みました。
高須先生方のモニター登録して顔出しした上でクリニックの発信に使われるのは、立派なデジタルタトゥーになるというご意見は理解できますし、その通りだなと感じます。
8歳の子どもにボトックスを打ったボトックス・マム
突然ですが美容整形は世界的なトレンドですが、世界で美容整形手術件数が多い国トップ3はどこだと思いますか?
施術件数・美容医療マーケット全体の規模など複数の国際統計(ISAPSなど)によれば、世界第1位は米国、第2位はブラジル、第3位は日本なのです。人口1000人あたりの美容整形外科術の施行率で言うと、韓国が1位のようです(#1)

有名なボトックス・マム
そんな美容大国・米国で過去に子どもの美容医療として物議を醸した事件がありました。
ボトックス
2011年5月、私の住むカリフォルニア州である母親が、8歳の娘に美容コンテスト出場のためボトックスを注射したとABCの「Good Morning America (GMA)」というテレビ番組で語りました。
このテレビ番組で母親は
「私は、小さな女の子にシワがあるのはいいことだとは思わない」
「完全に消えるわけじゃないわ。彼女はまだ子供だから。それに、そんなに効果が出るほどのことはしないの」
と発言し、娘は顔に注射を打たれるのは痛かったと認めたが、痛みには慣れてきていて既に問題はないという発言を繰り返しました。
これには流石の全米でも大炎上。ネット上、医療界、児童擁護団体の間で大騒動を引き起こしました。
放送翌日、サンフランシスコの福祉当局が児童虐待の疑いで調査を開始します。
そしてその3日後の5月16日、当局は一時的に母親から児童を引き離す措置を取る方針を発表、同日に母親は、娘の親権を失いました。
その後、母親の宣誓供述書が提出され、物語はお金のための作り話だったと主張しました。
UCLAでの医学的検査でも娘にボトックスの痕跡はなかったと各社が報道。のちに監督付きで母親のもとに戻ったとのことでした。
そもそも米国では8歳への美容目的のボトックスはFDA未承認です。小児科や皮膚科の専門家はリスクと倫理を強く批判し、「医師が関与していれば通報義務の対象になりうる」との論調になりました。今回のケースでは実際には注射されていなかったと判明しましたが、未成年への美容介入の是非が大きな論点になったのです。
医学的にどうなの?
一方で、医学的に小学生で美容整形を受けることはどのような問題があるのでしょうか?
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