偏食や食物アレルギーはどう気をつける?和光堂ブランドと「赤ちゃんの食事管理」について徹底対談
臨床現場でも SNS でも、子どもの食事については日々多くのご質問をいただきます。
本日は「赤ちゃんの食事」を中心に、ベビーフード売上22年連続No.1(※)の和光堂ブランドが展開する「わこちゃんアプリ」の担当者さんと赤ちゃんの食事管理についてお話しました。
(※インテージ SRI+/ベビーフード市場/2002年1月~2023年12月/累計販売金額)
昔は世間でよしとされていたことでも、今では医学的に間違っていたりします。今日もそうしたお話をたくさんさせていただきましたので、ぜひ読んでみてください。
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対談のお相手:アサヒグループ食品「わこちゃんアプリ」担当者
わこちゃんアプリ担当:私達は、アサヒグループ食品という会社で、その中でベビーフード、粉ミルク、ベビー用品の製造と販売を行っているブランド「和光堂」があり、「わこちゃんアプリ」というスマホアプリも展開しています。
ふらいと先生、本日はよろしくお願いいたします。
ベビーフードは悪?離乳食の考え方とは
ふらいと先生:「和光堂」といえば、ベビーフードや粉ミルクでとても有名ですよね。私も子育てで和光堂ブランドの商品には大変助けられました。
わこちゃんアプリ担当:ありがとうございます。離乳食は手作りにこだわる親御さんも多くいらっしゃいますが、弊社のベビーフードは品質にこだわって作っておりますので、自信を持ってご利用いただけます。ベビーフードもかなり一般化しましたが、小児科医からみていかがでしょう?
ふらいと先生:そうですね、離乳食やベビーフードについての論争はSNSで毎年のように見かけます。余裕のある人は手作りをやってもらってもよいし、忙しい人はベビーフードをどんどん使ってよいと思います。現場でもそのように推奨しています。
一番やってはいけないのは、自分のポリシーを他者に強制することです。育児のやり方はそれぞれで、家庭環境も異なりますから「こうしなさい」と強制するのはよくありません。
例えば昔は水のかわりに白湯を飲ませるという小児科医もいましたが、WHOやアメリカ小児科学会は、生後6か月までは母乳またはミルク以外の水分は不要であるとしています。正しい情報を基に母乳やミルクで代用するのがよいです。また、実母や義母などの親世代との関係においても、パートナーが断固として自分のパートナーをサポートするスタンスを取ることが重要です。育児に関する疑問は自身の親世代に聞くよりも、小児科医や管理栄養士に聞いた方がよいと思います。
わこちゃんアプリ担当:今の育児の話で、実母や義母などの親世代との間にずれが生じて、指摘しづらい部分があるのはとてもわかります。やはり親世代がやっていたことだとしても、エビデンスが以前より充実してきた今では、中には避けた方がよいとされることもあり、その違いを理解することが大事ですね。中でも、離乳食はどのような考え方でいればよいですか?
ふらいと先生:基本的に赤ちゃんは最初は母乳やミルクをあげるだけで十分ですが、だんだんそれだけでは足りなくなってくるので、補完食としての離乳食を導入します。これが大体赤ちゃんの成長や発達をみながら、5~6か月頃に始めるのがよいと言われています。離乳食は栄養だけでなく、食感や食材の固さや大きさに慣れるためのものでもあります。これにより、将来的に大人と同じような食事をするための準備ができます。
体重が増えにくい場合、離乳食のあげ方が赤ちゃんに合っていないことがあります。例えば、固さや大きさが適切でないと、赤ちゃんが食べ物をうまく消化できず、体重が増えにくいということがあります。離乳食のガイドライン(#1)に従って、適切な固さや大きさの食事をあげることが重要です。また、ベビーフードは信頼できるものだという認識が、小児科医の間でも定着している感覚があります。
結果的には3歳や4歳でちゃんと体重や身長が追いついて、食事をする習慣がついていればよいのです。そのための離乳食ですから、手作りかベビーフードかはそれほど気にする必要はありません。
そうした食事習慣や身長・体重が記録できるサービスを今日はご紹介いただけるとのことですが、どんなアプリなのでしょう?
「和光堂」発の育児支援アプリ「わこちゃんアプリ」
わこちゃんアプリ担当:「わこちゃんアプリ」開発の経緯は、私自身が育児を経験する中で、和光堂商品はその時々にすごく役立って便利だと感じたのがきっかけです。
しかし、育児の中で例えば「離乳食ってどんなふうに進めたらよいのだろう」とか「これ食べてくれなかったけどなんでだろう」とか様々な疑問や不安がありました。それをもう少し網羅的に全体の体験としてサポートできないかなと思い、社内提案から生まれたサービスです。
ふらいと先生:全体の体験をサポートというのは、特にどのような層の方に使われているのですか?
わこちゃんアプリ担当:一番多いのは、出産直後の親世代の方ですが、特にお母さんに多く使っていただいています。出産してすぐから使い始められる授乳記録機能などがありますが、特にご利用を開始されることが多いタイミングは離乳食が始まる直前です。出産後4か月頃から離乳食が落ち着く1歳ぐらいまで使っていただくケースが多いです。
ふらいと先生:乳児健診の際に、離乳食や成長の記録をしていますが、日々の記録や睡眠時間などの情報を見られるのはよいですね。
特に離乳食の回数や内容、成長曲線などの記録が健診にも役立つと思います。乳児健診では短い時間で多くの子どもを見るため、詳細な情報があると助かります。お母さんが心配していることをあらかじめ記録しておくと、相談もスムーズになります。
食事記録や健康管理のアプリは他にも色々出ていると思いますが、中でも「わこちゃんアプリ」の特長はどんなことですか?
わこちゃんアプリ担当:やはりベビーフードを製造・販売している会社が運営している、ということです。その商品を使った離乳食の時短レシピ集があり、約650種類のレシピを用意しています。
また、商品検索機能を使用すると、原材料や栄養成分表示なども分かります。商品にあるバーコードをカメラで読み取って検索することもできるので、手元にある商品を使ってすぐに商品情報やレシピを調べたいときに大変便利です。
また、和光堂ブランドには栄養士が多く所属しています。長い経験を持ち、和光堂ブランドとしての方針やガイドラインに基づいたトレーニングを受けています。栄養士に無料で30分間オンライン相談できる機能もある点も、他にはなかなかない特長だと思います。
私達も授乳・離乳の支援ガイド(2019年)に基づいて商品設計や栄養相談を行っています。例えば、卵焼きぐらいの固さや、舌でつぶせる程度など、具体的なイメージがしにくいことも多いです。そこで、私達の商品を目安にしていただくことや、実際に栄養士と対話しながら調整していくことができます。
ふらいと先生:栄養士さんに相談できるのはありがたいことで、1歳半健診の時に保健師さんたちと初めて相談できる機会がありますが、小児科などの医療機関を受診しなければ、そこまでに離乳食のことで専門家に相談する機会が少ないです。無料かつオンラインというのも気楽に相談できそうですね。
偏食や食物アレルギー、どう気をつける?食育の基礎知識
わこちゃんアプリ担当:栄養士相談サービスは使っていただいた方に喜んでいただけています。よく相談いただくのは、離乳食を進めていく中で「〇〇を食べてくれない」とか「自分の作り方に何か問題があるのでは?」といったことです。解決策を提示させていただいたり、栄養士がきちんと相談に乗ることで安心していただいたりしています。ふらいと先生であれば、子どもがある食べ物を食べてくれない、という場合どういったアドバイスをされますか?
ふらいと先生:まず、偏食を防ぐためには環境整備が重要です。例えば、テーブルの高さ調整も非常に大事です。手づかみ食べの導入も大切です(#2)。手づかみ食べは赤ちゃんが温度や固さを確認する手段であり、発達における重要なプロセスの一つです。片付けは大変ですが、発達に欠かせないものです。
また、偏食が続くとお母さんが不安になることもありますが、発育が正常であれば、最終的には身長が伸びていれば問題ありません。体重は一時的に増減することがあるので、身長を基準に観測していくとよいでしょう。偏食を改善するためには、新しいものを食べたら「褒める」などの食育が大切です。最近では、偏食外来の専門医も増えていますので、必要に応じて相談することも一案です。
このあたり、御社製品やサービスではどのようなサポートをされていますか?
わこちゃんアプリ担当:弊社商品では、入手が難しい食材や調理が難しいお肉や魚などを取り入れた商品が人気です。和光堂ブランドのレトルトは、1個で野菜やお肉など、たんぱく質等の栄養素を摂取できるようになっています。また、「わこちゃんアプリ」では、月齢ごとに食べてよい食材が分かる表も用意していて、食材ごとの月齢に合わせた使い方も確認できます。この表を使って、食べた食材をチェックしながら、次に何を食べさせればよいのかも簡単に確認できます。
さらに、食材管理機能では初めてその食材を食べた日や反応を記録できます。例えば、「好きだった」「嫌いだった」や「要注意」といったマークを付け、メモを残すことができます。これにより、いつその食材を食べてどんな反応が出たかを簡単に確認できます。
なので、もしなにかアレルギー反応が出たときにも振り返ることができます。アレルギーについて私たち親が気をつけた方がよいことはありますか?
ふらいと先生:よくある勘違いは、アレルギー検査の数値が高いからといって、その食品を完全に除去してしまうことです。アレルギー検査の結果は参考値に過ぎません。症状が実際に出るかどうかが一番の判断基準です。
例えば、小麦アレルギーの数値が高くても、パンを普通に食べて症状が出なければ問題ありません。症状が出る場合には注意が必要ですが、アレルギー検査結果だけで「今後一口も食べさせてはいけないのだ」と判断するのも適切ではない場合があります。
反応が少しだけなら量を減らしたり、かなり少量から試すことが大事です。昔は完全除去が推奨されていましたが、今は専門家の指導のもと症状の出現を見ながら少しずつ食べさせて体を慣れさせる方法が一般的です。とはいえ、アレルギーの判断は自分で行わずに専門家の判断に従うようにしてください。
わこちゃんアプリ担当:食物アレルギーには注意が必要ですが、離乳食の期間に適切な順番と量でいろんな食材を試すことが大事なのですね。
ふらいと先生:そう思います。いろんな食材を試せる機能や商品があると便利ですね!
わこちゃんアプリは以下の画像をクリックすることでダウンロード可能な公式ページへアクセスできます。
※本記事は、アサヒグループ食品株式会社と theLetter (株式会社OutNow)と「ふらいと先生のニュースレター」の認知拡大を目的とした共同企画・コラボレーションです。三者間で金銭的なやり取りや製品自体のギフティング等は一切ございません。
参考文献
#1. 授乳・離乳の支援ガイド改定に関する研究会. 授乳・離乳の支援ガイド(2019年)https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf
#2. 神奈川小児保健協会:偏食外来パンフレット https://kanagawa-syounihokenkyoukai.jp/pamphlet/
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