保育園・幼稚園の転園は子どもに悪影響?
2学期が始まりました。
皆さん、秋の新生活はいかがでしょうか。
秋は修学旅行や林間学校、運動会、芋掘り遠足など楽しいイベントが盛りだくさんですね。地域によっては運動会が春だったりするので、一概には言えませんが、過ごしやすい季節になってきたのは事実です。
さて、今回のテーマはQ&Aにあった質問から抜粋してきました。いつもは3つ質問を取り上げ、それに対して1つ1つ質問に答えていましたが、質問の規模感によっては解答を満足に返せない事も多々ありました。
そのため今回から、多くの人が関心を持つであろう壮大なテーマはこのように一つの記事として取り上げる事にしました。まずは試行段階なので、またご意見を頂けたらと思います。
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保育園の転園
毎年、日本では共働き世帯の増加や転勤などの理由により、保育園や幼稚園の転校を経験する子どもが一定数います。厚生労働省の統計によると、2020年度の保育所等の利用児童数は約274万人で、前年度比約2万人増加しています。この中で、転園を経験する子どもの正確な数字は把握されていませんが、少なくとも年間数万人に上ると推定されています。
先日、定例募集しているQ&Aコーナーでこのような質問をもらいました。
入園して3ヶ月(子供が1歳2ヶ月)で転園を考えております。(子供との時間が増えるよう、職場の近くに引っ越しを考えているため)上記の愛着形成の臨界期である6ヶ月〜1歳半の間に、主たる保育者が母→保育園1→保育園2のようにころころ変わってしまうことはどのような影響がありますか?もし影響があるならば転園を2歳、3歳と遅らせた方が子の負担は軽減できますか?
一方で、子どもが成長・発達していく上で、環境の安定性は重要な要素です。
特に0〜6歳の幼児期は、認知、社会性、情緒面での基礎が形成される重要な時期です。
このような背景から、保育園や幼稚園の転校が子どもの発達にどのような影響を与えるのか、多くの保護者や教育関係者の間で関心が高まっています。
転校によるストレスや環境の変化が子どもにとってマイナスになる可能性がある一方で、新しい環境への適応力を養う機会にもなり得るという意見もあります。
では実際にこれらのことは検証されているのでしょうか。
今回は保育園・幼稚園の転園が子ども達の発達にどのような影響を与えるのかを解説していきましょう。