性被害から子どもを守る2つの武器

たった一度の性被害でも、子どものその後の人生に大きな影響を与えます。性加害者を減らそうという気持ちはわかりますが、その対策や支援はまだ不十分です。そうなると、子どもと親は自分達でその脅威から身を守らなければいけません。今回は科学的にも有効とされている「2つの武器」について、現時点でわかっているエビデンスを元に解説していきます。
今西洋介 2022.11.20
読者限定

ふらいと先生のニュースレターは、子育て中の方が必要な「エビデンスに基づく子どもを守るための知識」を、小児科医のふらいとがわかりやすくお届けしています。今回は有料登録限定記事です。

***

性被害からの自衛

小児性被害は、100%予防可能な公衆衛生問題である

これは公衆衛生学の世界的権威であるジョンホプキンス大学のムーア児童性的虐待防止センターが言っている言葉です。しかしこれには条件があります。それは「社会全体で対策をしていれば」というものです(#1)

子どもを性被害から守るためには、自衛しなければいけません。いけませんというか、せざるを得ません。それは認知が歪んでいる小児性加害者への対策と治療体制が全く整っていないからです。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、5235文字あります。
  • 小児性被害対策の3段階のアプローチ
  • 1つ目の武器:(包括的)性教育
  • 2つ目の武器:性被害とは何かを知る

すでに登録された方はこちら

読者限定
養育費未払い率71.9%が子どもに与える影響
サポートメンバー限定
あの「0歳からの英語教育」、ディズニーワールド・オブ・イングリッシュを...
サポートメンバー限定
モンテッソーリ教育を科学する
読者限定
Q&A; 不登校児のその後は?都会と地方はどちらが幸せ?でべそどうする...
読者限定
子どもにも起きるギャンブル依存症
サポートメンバー限定
Q&A; 父親の育児当事者意識、インフルエンザの学級閉鎖、子どものよだ...
サポートメンバー限定
Q&A; 押し入れに閉じ込める、テレビ視聴時間、情報のインプット
サポートメンバー限定
Q&A; バイリンガル、解熱剤使わない、足洗い