子どもの近視、最新の医療事情

今回は子どもの「目」に関するお話で、よくある誤解を紐解きます。
今西洋介 2026.07.05
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皆さん、こんにちは。7月1発目の記事ですね。

日本で過ごしてますが、最近日本は涼しいですね。

湿度は高いですが、気温が低めで過ごしやすいです。

物は安いし、病気や怪我をしても気軽に病院にかかれる安心感は半端ないですね。さて今回も記事を書いていきます。

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深刻な日本の子ども達の「目」事情

今回はまず、衝撃的な数字から始めます。

文部科学省の学校保健統計調査によると、裸眼視力1.0未満の子どもの割合は、小学生でおよそ3人に1人、中学生ではおよそ半数を超え、高校生では6割を超えて、いずれも調査開始以来の過去最多水準に達しています。

しかもこの割合は、数十年前と比べて右肩上がりに増え続けています。

これは今どきの子は目が悪いといった漠然とした印象の話ではなく、世界的にも東アジアの都市部を中心に近視が急増しており、シンガポールや台湾、韓国では若者の8割以上が近視という報告もあります。

そんな中、WHOも近視を公衆衛生上の重要課題として位置づけ、世界の近視人口は今世紀半ばに約50億人に達すると推計されています。日本の子どもたちも例外ではありません。

近視について、まず保護者の方々に知っておいてほしいことが二つあります。

一つは、近視はメガネをかければ済む問題なのではなく、将来の目の病気のリスクを左右する医学的な状態だということです。

もう一つは、いまや近視は進むのを遅らせるための治療法が複数登場し、日本でも2026年6月に低濃度アトロピン点眼薬が保険適用となって、選択肢が現実的になったということです。

さらに、家庭と学校でできる予防にも、はっきりしたエビデンスがあります。

今回は、①近視という状態の正体と、なぜ放置できないのか、②「屋外で過ごす時間」をめぐる科学、③保険適用後の治療をどう選ぶか、を順にお話しし、最後に、3人の子の父として私自身が実践していることをお伝えできたらと思っています。

近視は「戻らない」

近視の正体は「眼球が伸びること」

近視というと「水晶体のピント調節の問題」と思われがちですが、子どもの近視で問題となるのは、眼球そのものの長さ、いわゆる眼軸長です。

眼球を前後に測ったこの長さが、成長とともに伸びすぎると、網膜より手前でピントが結んでしまい、遠くがぼやけます。カメラでいえば、レンズとフィルムの距離が伸びすぎて焦点が合わなくなる状態です。問題は、この伸びた眼軸長が原則として元に戻らないという点にあります。身長が縮まないのと同じで、伸びた眼球は縮まない。だから近視対策の目標は治すことではなく、伸びる速度をできるだけ遅くして伸びきる前に成長を終えることになります。

近視の進行は、眼軸長がどれだけ伸びたか(単位はミリメートル)と、度数がどれだけ進んだか(単位はジオプター、Dと書きます)の二つで測ります。

あとで出てくる研究の話でこの二つの数字が繰り返し出てきますので、「眼軸長が伸びる=近視が進む」「D(度数)が大きくなる=近視が強くなる」とだけ、頭に入れておいてください。

目安として、眼軸長が1mm伸びると度数はおおよそ2〜3D近視側に動くと言われます。研究では0.1mm、0.1Dといった細かい単位で効果を比べますが、近視対策とはこの小さな差を長い年月にわたってどうしていくかを考えるという事なのです。

なぜ「強度近視」を避けたいのか

外来で親御さん達と話をしていて、子どもの目の話をしていてよく言われるのは「この子が近視になったら、メガネをかければいいんでしょ?」という言葉です。

「近視くらいメガネで矯正すればいい」という考えが危ういのは、強い近視が将来の目の病気と結びついているからです。

これには非常に明確なエビデンスがあります。

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