あの「0歳からの英語教育」、ディズニーワールド・オブ・イングリッシュを科学する

今回は誰もが聞いたことのある、あの0歳からの英語教育のエビデンス、現状の課題を追って行きたいと思います。
今西洋介 2024.04.17
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今回は誰もが聞いたことのあるあの「0歳からの英語教育」に関して現時点でわかっているエビデンスを追いつつ現状の課題を考えていきたいと思います。

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あの0歳からの英語教育

先日とある雑誌の編集者と話をしていた時のことです。

その編集者が言いました。

「子育てに関する情報で本当はどうなのかというものがある。例えばあのディズニーの英語の教材あるじゃないですか。子どもが生まれた同期があれに100万円以上も課金しているんです。あれって実際のところどうなんですか?」

ディズニーの英語教材とはおそらくこちらのディズニー・ワールド・オブ・イングリッシュ(DWE)の事だと思います。

私の後輩医師からも奥様の強い希望でこのDWEの教材を1セット購入し、よくわからないまま当直明けの疲弊している状態でイベントに参加させられ、ストレスが最高潮に達したという話を聞いたことがあります。

以前は教材代が100万円はいかないという認識でしたが、2024年5月30日より現在価格からおおよそ10%の値上げを予定していると今年2月に公式HPで発表されているので、おそらく100万円は超えてくるでしょう。

DWEはとにかく英語を早くから(しかも胎児期から!)聞かせる・話させるという超早期英語教育の有効性を謳っている教材ですが、そもそも効果があるのでしょうか?公式HPを見ても権威のある専門家の顔写真と言葉しか掲載されておらず、根拠とされる具体的な論文や研究が掲載されていません。

今回は、これらの超早期英語教育に関する研究や現状の課題を追っていきたいと思います。

子どもが英語を学ぶことの効果の真偽

超早期英語教育とはその定義が曖昧ですが、いわゆるバイリンガル教育の効果を検証する研究はそれなりにあります。それではその研究を見ていきましょう。

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