韓国の小児科医はなぜ激減したのか
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韓国で何が起きているのか
少子化は全世界で深刻な問題です。少子化が進んでいる日本はなんて悲惨な国なんだと悲観的な意見を見ますが、世界全体少子化は進んでいます。
下の図は国連人口基金が出しているデータ(#1)ですが、これを見ると緑色の日本をはじめ、世界全体で出生率は低下している事がわかります。
この表の中で、70年前の1950年代から凄い勢いで低下している国が紫色で示されているのがわかります。1950年代には6.0を超えていたのが今や1を切る事態となっています。もうお気づきとは思いますが、この紫色の国こそが「韓国」です。韓国の2022年の合計特殊出生率は0.81であり、OECD諸国の中で唯一1.0を下回っています。
国として人口を維持するには、合計特殊出生率を2.07以上にする必要があると言われています(#2)。これを考えると韓国の少子化の状況は本当に深刻であると言えるでしょう。
韓国では少子化の問題と同時に、小児科医の数が激減しています。この減り具合は当然様々な形で子ども達の健康を脅かす形になっています。韓国で5番目に大きい病院の小児科が入院病棟を閉鎖し、小児科クリニックが次々と潰れています。過去5年間で廃業した小児科の数は600箇所に達します(#3)。この小児科医の減り具合は非常に深刻です。