公園は子どもの心の特効薬?
さて、10月も1/3が終わりクリスマスや年末年始の雰囲気も漂ってきました。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。アメリカはハロウィン一色です。
さて、今日は親になれば誰でも一度は行ったことのある「公園」のお話です。
ふらいと先生のニュースレターは、子育て中の方が必要な「エビデンスに基づく子どもを守るための知識」を、小児科医のふらいとがわかりやすくお届けしています。
過去記事や毎月 4 ~ 5 本すべての「エビデンスに基づいた子どもを守るための知識」を受け取るには有料コースをご検討ください。今回の記事も登録いただければ最後まで読めます。
今回はQ&Aから頂いたこのご質問から。
いつもありがとうございます。このニュースレターのおかげで子育てが楽しくなっています。3歳の男の子の親をしてますが、公園に行く事は子どもの成長には欠かせない事なのでしょうか?毎日行くのが本当につらいのですが、もし発達に良いとかあれば少しはこの気持ちも和らぐかなと…お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
まず架空の家族のお話から始めていきたいと思います。実在するご家族とは一切関係がありませんのでご了承くださいませ。
小さな冒険家たちの悩み
春の陽気に誘われて、5歳の優太くんは公園に向かう母親の手を引っ張ります。
公園に着くと、優太くんの態度は一変します。遊具に駆け寄るどころか、母親の後ろに隠れてしまったのです。
「優太、せっかく来たんだから、ブランコでも滑り台でも好きなもので遊んでみたら?」
と母親が優しく促しますが、優太くんは首を横に振るばかり。
母親の悠子さんは、こんな優太くんの様子に頭を抱えています。家では元気いっぱいなのに、外に出ると急に内気になってしまう。友達と遊ぶのも苦手で、いつも一人で遊んでいる姿を見ると、心配になってしまいます。
「このままでは社会性が育たないんじゃないか」
「もっと積極的になってほしい」
と、悠子さんの心配は尽きません。公園に連れて行くたびに、悠子さんは自分の子育てを振り返り、何か間違っているのではないかと自問自答を繰り返します。
一方、隣町に住む7歳の美咲ちゃんのお母さんは、まったく逆の悩みを抱えています。
美咲ちゃんは元気いっぱいで、公園に行くと走り回って遊び疲れることもありません。母親の桜子さんは、美咲ちゃんの元気さに圧倒されてしまいます。
「美咲、もう少しおとなしく遊べないの?」
と桜子さんが言うと、美咲ちゃんは「もっと遊びたい!」と声を上げます。桜子さんは、美咲ちゃんの活発さが他の子どもたちの迷惑になっていないか心配で、公園に行くのをためらうこともあります。
このように、子どもたちの性格や行動パターンは様々で、親たちはそれぞれの悩みを抱えています。しかし、子どもの性格や行動パターンは一人一人異なり、すぐに変化を求めるのではなく、子どものペースを尊重することが大切だという話もあります。
そして、意外にも、公園のような緑豊かな環境が、子どもの心の健康に良い影響を与える可能性があるのではというのです。
実は、優太くんと美咲ちゃんの両親が抱える悩みは、多くの親が経験するものです。
子どもの性格や行動が期待と異なる時、親は不安を感じがちです。しかし、子どもの個性を認め、それぞれの成長のペースを尊重することが、健全な発達につながるのです。
今回はこの公園のような緑豊かな環境が子どものメンタルヘルスにどう影響を与えるかの研究について見ていきましょう。
緑の力、科学が語る子どもの幸せ
近年、子どもの心の健康と自然環境との関係について、多くの研究が行われています。