子どもの熱中症・新常識〜命を分ける30分間〜
皆様、こんにちは。7月3本目ですね。
現在、日本に一時帰国中ですが、いや〜とにかく暑い!
カリフォルニアも暑いですが、湿度がある分だけ日本は息苦しさが半端ないですね。
なので今回は子どもの熱中症の新常識として記事を書いてみることにします。
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この原稿を書いている7月14日、全国で猛暑日(最高気温35℃以上)を観測した地点は170にのぼり、今年最多を更新しました。静岡・浜松で38.3℃、高知・四万十で38.2℃、そして東京都心もこの日、今年はじめての猛暑日です。
東京都だけで、午後3時までに52人が熱中症の疑いで病院に運ばれ、うち3人が重症と報じられました。
熱中症警戒アラートは17県に発表され、これも今年最多。しかも予報では、翌15日はさらに範囲が広がり、名古屋や熊谷では38℃が見込まれています。まさに、記録が日ごとに塗り替えられていく夏です。
こうしたニュースを目にするたび、学校の体育や部活動、そして毎日の登下校を思い浮かべて、子どもの熱中症を心配するのは親としては当然のことです。
そこでよく耳にするのが、「子どもは体温調節が下手だから、大人より熱中症になりやすい」という説明ですよね。
ところがこれは、半分正しく、半分は新常識として修正されています。
確かに、子どもの体は大人と別の仕組みで熱に対応しています。けれど、その違いがそのまま子どもは弱いことを意味するわけではない。これが、近年の研究が示す、少し意外な新常識です。
今回は、①子どもの体温調節は大人と何がどう違うのか、②本当のリスクはどこにあるのか(WBGT・運動・水分のエビデンス)、③その科学を学校や家庭でどう活かすか、を順にたどり、最後に、いざ子どもが倒れたときに命を分ける「最初の30分」の動き方までお伝えします。そしてその30分の結果は、生まれつきの体質ではなく、そばにいる大人の動き方で大きく変わります。
感情論でも精神論でもなく、あくまでデータに基づいて、子どもの夏を安全なものにしていきましょう。
子どもの体温調節は、大人とどう違う?
大人は「汗」、子どもは「乾いた熱交換」
子どもの熱中症を知る前に、まず体の仕組みの違いから解説していきましょう。
人が体を冷やす方法は大きく二つあります。
一つは汗をかいて、その蒸発で熱を奪う「蒸発性の放熱」。
もう一つは、皮膚の表面から空気へ熱を逃がしたり、血流で熱を運んだりする「乾いた熱交換」です。
子どもと大人を比べた研究のレビューによれば、大人は主に汗の蒸発で熱を逃がすのに対し、子どもはこの乾いた熱交換により多く頼っている、という違いがあります#1。
なぜこうした違いが生まれるのでしょうか。
子どもは大人に比べて、体重あたりの体表面積が大きく、汗をかく能力(発汗率と言います)が低く、暑いときに皮膚表面の血流を増やしやすい、という特徴を持つからです#1。
体表面積が大きいということは、皮膚という放熱板の面積が体の割に広いということで、環境と熱をやりとりしやすいです。
だから子どもは、汗に頼らずとも、皮膚から直接熱を逃がす戦略が使えるのです。大人は「気化熱で冷やす水冷式」、子どもは「表面から放熱する空冷式」といったように、冷やし方そのものが違う、というイメージです。
この違いは、環境によって有利にも不利にもなります。
同じレビューは、子どもが暑さに体を慣らす「暑熱順化」も、大人と同じ程度まで到達できるものの、そこに至る速度は大人より遅い、と指摘しています#1。つまり、シーズンの初めや、久しぶりの猛暑日には、子どもの体はまだ暑さ仕様に切り替わりきっていない可能性が高いのです。
生理の違いを知ることは、単なる豆知識ではなく、具体的な守り方に直結するのです。
子どもは体温調節が下手は、古い常識
ここからが、子どもの熱中症の新常識です。
かつては「子どもは汗をかく力が弱いぶん、体温調節が下手で、暑さに弱い」と考えられていました。
ところが、この見方は近年くつがえされつつあります。
アメリカ小児科学会が出した、運動する子どもと暑熱ストレスに関する方針声明は、こう明言しています。
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