赤ちゃんを性的対象とする人はどれくらいいるか〜我が子を守るために知っておくべきこと〜
今年も新年早々、性被害を受ける子どものニュースが後を絶ちません。
このニュースレターでも、小児性被害に関してさまざまな角度からエビデンスを元に解説してきました。
今回は世間では受け入れ難いネピオフィリア、つまり赤ちゃんを性的対象に見る人の疫学や医学的側面を解説していきたいと思います。
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ちなみに今回は胸糞な内容なので、読んでいる最中に気分が悪くなる方がいらっしゃるかもしれません。御自身のメンタルヘルスと御相談しながら、判断されてください。
元乳児院職員が2歳未満児へ性的暴行
新年早々、こんなニュースが日本列島を震撼させました。
埼玉県内の乳児院に勤めていた男が、入所する2歳に満たない女の子に性的暴行を加えたなどとして再逮捕されました。強制性交の疑いなどで逮捕されたのは、埼玉県内の乳児院の元職員・藤原凌容疑者(25)です。藤原容疑者は去年3月、勤務していた乳児院の施設内で、入所する2歳に満たない女の子に性的暴行を加えたうえ、その様子をスマホで撮影した疑いがもたれています。・・・(中略)・・・ 押収したスマホから20人以上の女の子が写ったわいせつな動画が見つかっていて、警察が余罪を調べています。
これに対して投稿した自分のポストが多大な反響でした。
このポストは1/18現時点で4394リポスト、1万ライクと反応がありました。
反応の中には「赤ちゃんを性的対象にするなんて」「常軌を逸しているという言葉だけでも足りないくらい」と様々なご意見を頂きました。
しかし、赤ちゃんを狙う同様の事件は世界でも起きています。
2015年にはノルウェーで32歳の男が生後2か月の息子を強姦し、その映像を小児性愛者同好会に送信したと裁判で明らかになりました。検察官が「ノルウェー法史上最も深刻な虐待事件の一つ」と称した事件の冒頭で、父親は犯行を認めています。
2019年、アイルランドでパートナーの生後6ヶ月の赤ちゃんを強姦したとして59歳男性に懲役16年の判決が下されました。自分自身が赤ちゃんを強姦している様子を録画していました。彼の所持するメモリーカードを調べたところ、成人女性と他の子供が被告の自宅の浴室でトイレを使用している様子を映した20本のビデオクリップ(各3分間)が見つかっています。
また、昨年2023年米国マンチェスター市で生後3ヶ月の赤ちゃんをホテルで強姦しようとした71歳の男が逮捕されました。彼はオンラインWickrプラットフォーム上で12歳未満の子どもに対して性的関心を持っていることを話しており、実際に法廷では児童性犯罪の手配、児童のわいせつな画像の作成と配布、過激なポルノの所持を認めました。彼には80ヶ月の懲役刑が言い渡されています。
このように、赤ちゃんを性的対象としている人間は世界中にも多く認められています。
赤ちゃんを性的対象とする人
子どもに性的魅力を感じる人はペドフィリア、小児性愛者と表現することが多いです。小児性愛者自体の定義自体は幅広く、議論が分かれるところですが本筋とそれるので今回は割愛します。この記事では実際に子どもに対して性加害を加えた人ではなく、純粋に思春期前の子どもに性的魅力を感じる人を指すこととします。
近年の研究では小児性愛者は厳密に細分化されるべきと言われます。法医学者で性科学者Setoは「性的対象となる年齢」と子どもの身体の成熟を表す「ターナー分類」によって分類するべきと説いています(#1)。
ターナー分類は医療系の国家試験では必須ですが、別名・性的成熟度評価とも言われ、子どもが思春期、あるいは成人に移行する時の身体的発達のスケールです(#2)。小児医療現場では「思春期早発症」と言う病気の鑑別を行う必要があり、その指標にこのターナー分類を使用しています。
左図が男子、右図が女子で、数字が大きくなるにつれて思春期として身体が成長していくことになります。
Wikipeiaより引用
このターナー分類を元に性的対象となる人を細分化していったのが下の表です。
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- ネピオフィリアはどれくらいいるか
- なぜ彼らは赤ちゃんを性的に見るのか
- 思考をやめさせるべきかの議論
- 参考文献
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