暑さは赤ちゃんの早産や低出生体重を増やすのか

夏真っ盛りですね。夏は暑いものですが暑すぎると人体にいい影響を与えません。今回はこんなテーマでお送りしましょう。
今西洋介 2023.08.10
サポートメンバー限定

今年の夏は異常な暑さです。

この夏の暑さは12万年ぶりのようで、米国ではすでに作物などにも深刻な影響を与えているようです。

程よい暑さなら良いですが、程度を過ぎた過度な暑さは人体に影響を与えます。不快なだけでなく、当然健康にも深刻な影響を与えます。

WHO(世界保健機構)なども既にその影響に関してレポートを出しています(#1)。また気候変動が人類の健康に与える影響をモニターする国際協力プロジェクト「Lancet Countdown」でも気候変動の最大の影響は人間の健康にあると明言されています(#2)

実際に、この気象異常により蚊を介した感染症・デング熱が過去最多になる恐れが言われており、WHOが1月に世界最速で拡大している熱帯病だとし、パンデミックの恐れがあると警告しています。

暑さに関しては、子どもや高齢者に対する悪影響は広く知られています。子どもは体重に対する体表面積が大きく脱水になりやすかったり、体温の調整をする中枢が未熟だったりと、暑さの影響は大変大きいものです。

しかし、赤ちゃんや妊婦などのいわゆる「出産」に関する影響は研究が少ないです。

赤ちゃんへの影響

では、その少ない研究を評価した論文を紹介しましょう(#3)

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、4437文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

読者限定
育児中の小児科医は住む場所を何で選ぶか
サポートメンバー限定
冬になると子どもがだるそう。それ、甘えだと思ってませんか?
サポートメンバー限定
米国で子どもに「痩せ薬」が処方されている話
読者限定
学習院からN高、そして東大へ。自民党総裁選で問いかけた高校生の今に迫る...
サポートメンバー限定
発達障害は父親母親が高齢だと増える?わかってること・いないこと
読者限定
男性が父性を目覚めるのに必要なもの
サポートメンバー限定
産後ケアはなぜ広まらないのか
サポートメンバー限定
米国はなぜ乳児健診で絵本を無料配布し始めたのか