6ヶ月以上5歳未満の新型コロナワクチン接種率1.4%を考える

全国で6ヶ月以上5歳未満の子どもを対象に新型コロナワクチン接種が開始され、約2ヶ月経過しました。しかし接種率は非常に低く、ほとんどの子どもが受けられていないのが現状です。現状として何がボトルネックなのでしょうか。いち小児科医の視点から見ていきたいと思います。
今西洋介 2022.12.15
読者限定

ふらいと先生のニュースレターは、子育て中の方が必要な「エビデンスに基づく子どもを守るための知識」を、小児科医のふらいとがわかりやすくお届けしています。

過去記事や毎月 4 ~ 6 本すべての「エビデンスに基づいた子どもを守るための知識」を受け取るには月690円の有料コースをご検討ください。

有料読者の皆様からのご支援は、小児専門の性暴力対策センターなどの社会活動団体に一部寄付されます。ご登録お待ちしています!

***

ちなみに今回は無料登録で読めますので、気軽に登録してください。

現状

今年の10月24日から生後6ヶ月以上5歳未満の子どもに新型コロナワクチンの接種が開始されました。現在ファイザー社の6ヶ月以上5歳未満用のワクチンが用意され、全国でも集団接種会場を作る自治体が現れるなど積極的に展開されています。

また日本小児科学会も11月に、生後6ヶ月以上5歳未満児の新型コロナワクチン接種はメリット(発症予防)がデメリット(副反応)を上回り、「推奨」と公式に声明を出しています(#1)

しかし一方で、全く接種率は上がっていません。

現在2ヶ月弱経過していますが、接種率は驚くほどの低さです。首相官邸が出している新型コロナワクチン接種数のデータでも12/9現在時点(#2)で、6ヶ月以上5歳未満の接種率は1回接種が1.4%、2回接種が0.2%です。成人が初回81.4%、3回完了者が67.2%というデータですから、乳幼児の数字だと、むしろ接種した子どもを探す方が難しいと言えるでしょう。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、4966文字あります。
  • ワクチンでわかっていること
  • 接種率が低い理由を考える
  • 本日のエッセンス

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

誰でも
子どもの熱中症対策。ベビーカー クールシート「エアラブ」担当者と我が子...
サポートメンバー限定
Q&A; つわりが強いと子どもは賢い?、タワマンと早産、子どもの栄養素...
サポートメンバー限定
なぜ子どもは「いつもの」ぬいぐるみを好むのか?
読者限定
なぜ大阪の女性性暴力対策センターSACHICOは崩壊したか
サポートメンバー限定
Q&A; 寝返り防止ベルト、発達の様子を見ましょう、メラト二ングミ
サポートメンバー限定
Q&A; バンボチェア、発達障害と遺伝、小児科にかかるべき?
読者限定
助産師の妻が青ざめ、自分の右手の震えが止まらなかった話
サポートメンバー限定
Q&A; 天然素材の服、宿題、兄弟姉妹のメリット