正月の殺人鬼・おもちから身を守る方法

あと数日で2022年も終わりになります。日本国民は正月になると、お餅を大量消費する民族です。しかし、正月に実際の臨床現場にいると餅の窒息事故を多く経験しますし、実際にその発生率も高いです。子どもより高齢者の方が圧倒的にその割合は高いですが、子どもが起こすことも0ではありません。今回も実際のエビデンスをもとに解説していきます。
今西洋介 2022.12.29
読者限定

ふらいと先生のニュースレターは、子育て中の方が必要な「エビデンスに基づく子どもを守るための知識」を、小児科医のふらいとがわかりやすくお届けしています。

過去記事や毎月 4 ~ 6 本すべての「エビデンスに基づいた子どもを守るための知識」を受け取るには月690円の有料コースをご検討ください。

有料読者の皆様からのご支援は、小児専門の性暴力対策センターなどの社会活動団体に一部寄付されます。ご登録お待ちしています!

***

おもちの危険性と疫学調査

正月になると、日本人にはお餅を好んで食べる文化があります。時には食べるだけでなく、親戚で集まってお餅を作ります。今年のM-1決勝でもヨネダ2000という漫才コンビが「ペッタンコ〜ペッタンコ〜」とお餅つきの漫才をしていた事からも、日本文化とお餅は切っても切れない関係にあります。

当然、日本人は食べる機会が多いですからそれに関わる事故も多いです。高齢者が餅を食べる事によって窒息死する事故が多いのです。東京都消防庁によると、昨年の元旦から正月3日間だけで餅をのどに詰まらせて救急搬送された方は14名にものぼり、うち3名は死亡しています。東京だけのデータでこれです。

日本は高齢者の割合が世界で最も高く(#1)、2018年には1年間で4600人が食べ物の窒息で死亡しています(#2)。また大阪府の8年間のデータを用いた研究では、病院の外での心肺停止の症例46,911例のうち10%はおもちが原因でした。また、そのうち4件に1件は正月の3日間で起きていました(#3)

この記事は無料で続きを読めます

続きは、3912文字あります。
  • 子どもや高齢者はなぜ詰まらせるのか?
  • 物を詰まらせた時の対策
  • マイオピニオン
  • 本日のエッセンス

すでに登録された方はこちらからログイン

生まれる場所で受ける検査が違う〜拡大マススクリーニング検査の地域格差を...
読者限定
なぜ「妊婦の食事で子どもの発達は悪くなる」は燃えたのか〜疫学研究の発信...
有料限定
小児性被害の研究から見たシングルマザー向けマッチングアプリ問題
読者限定
子どもの「あざ」シリーズ vol.2 青あざ・茶あざ
有料限定
法改正で身近な存在に〜知っておきたい「医療的ケア児」の基礎知識
読者限定
小児科医・助産師夫婦の3姉妹子育て苦労話
有料限定
子どものインフルエンザ治療と予防・最近の話題
読者限定
ふらいとTwitter三大炎上事件を振り返る
有料限定