赤ちゃんの頭の形のゆがみは将来頭痛や中耳炎を起こす?
皆様、こんにちは。
12月、6本目の記事です。
最近8月に書いたロブロックスの記事が今頃大バズりしまして、24時間で2200人の方に御登録頂きました。無料記事のため多くの方に読んで頂いたと思うのですが、無料記事を展開できるのも月々御支援頂いているサポートメンバーの皆様のおかげです。
本当にありがとうございます。
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関心の高い赤ちゃんのヘルメット
さて、このニュースレターでも赤ちゃんの頭の形の歪みに関する記事を何度も取り上げてきました。
「赤ちゃんの頭の形〜わかっていること①」、「赤ちゃんの頭の形〜わかっていること②「家庭でできる予防と治療」」は今から3年前の2022年11月に書いたシリーズです。
この時は、実際に日本頭蓋健診治療研究会が出版している「小児の頭蓋健診・治療ハンドブック」に基づいて、頭の形の歪みとは何か、自宅でできる対策は何かをかなり詳しく書きました。
それから3年後、今年の9月に「シン・赤ちゃんの頭のカタチ2025」として記事のアップデート版を配信しました。
ここでは、高知で「助産師の指導で我が子の後頭部が変形した」と4243万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたニュースに基づいて、改めて、赤ちゃんの頭部変形に関する記事を書きました。
この記事はとても反響が大きく、多くの方に読まれました。
これは小さいお子さんを持つご家庭の中で、赤ちゃんの頭の形のゆがみやヘルメットに関して関心が高い事の証明でしょう。
実際に、日本の赤ちゃんの頭蓋変形に対するヘルメット治療市場は、まだ「ニッチだけれど確実に伸びている」段階で、売上も今後数年間は拡大が続くと予測されています。
東京駅近くの某クリニックなどの頭の形専門クリニックが、3Dスキャナ・3Dプリンタを用いた国産ヘルメットを前面に出しており、「日本からアジアへ次世代のmolding helmet therapyを提供する」と市場拡大をうたっていることからも、需要が増加傾向にあることがうかがえます。
グローバルでは、乳児用ヘルメット市場は年間4〜7%程度のCAGRで拡大するとの予測が多く、アジア太平洋、とくに日本・中国・韓国など新興市場の伸びが寄与するとされています(#1)
国内企業が国産ヘルメットを開発し、2022年に製造販売承認を取得して以降、輸入依存から国内生産へシフトし、納期・品質・コスト面での改善が進んでいると報告されています。
このように、日本国内だけでなく世界でも赤ちゃんのヘルメット市場は伸びているのです。
赤ちゃんの頭の形の歪みは将来、頭痛・中耳炎・肩こりを起こす?
これだけ反響が大きい記事だと、記事の最後のコメント欄に様々なご意見などを頂きます。
その中で、自分も「ここは更に踏み込んで解説しないといけないな」と思ったのが以下のご質問です。
以前2022.11.23の赤ちゃんの頭の形に関する記事において、「全身へ様々な二次的な影響が出る(・顎関節偏位からの噛み合わせの悪さ・耳介偏位による中耳炎・肩こり、偏頭痛、側湾症、腰痛・耳の高さが異なり眼鏡がズレてかけられない・顔が歪んでコンプレックス)」ということを指摘しておられましたが、それはどうなったのでしょうか?
ご返信ありがとうございます。ただ、長期的な発達に影響があるかどうかはまだ分かっていないとおっしゃりながら、全身への二次的な影響が出るということを明確に指摘されていることが気になります。親御さんの中には、見た目だけでなく、その全身への二次的な影響を気にして、治療を選択される方も多いのではないでしょうか。噛み合わせ、中耳炎、肩こり、偏頭痛、側湾症等、斜頭症により、ご指摘のような影響があるとすれば、本当に恐ろしくなります。
頭蓋変形外来を受診したことがありますが、治療のメリットは思春期の頭痛や不正咬合、顎関節症や肩こりの予防だと言う説明でした。その先生の見たてでは私の頭部もひどい変形だそうで、確かにメガネが合わない、顎関節症あり、頭痛肩こり持ち、とオンパレードです。有病率も高いし病脳期間は一生ですし、新生児期に1年頑張って一生効果が得られるなら最高ですよね
こういったご意見です。
確かに「赤ちゃんの頭の形の歪みは発達を悪くする、という事は因果関係として示されておらず、エビデンスとしては確立されていない」事は以前の記事の中で繰り返し解説をしました。
しかし、読者の皆様からあがっている「それ以外の症状」に関しては現時点でどうなっているのでしょうか?実際に医療現場でもこのような説明もされているようです。
実はこの赤ちゃんの頭の形に関しては、新生児の学会でもいつも物議を醸すので、今回はこれらの事に関して「現時点でわかっていること」を症状別にまとめてみようと思います。
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